今、大型トラックの販促で「燃費」が欠かせないキーワードになっている。大型トラック(車両総重量12トン超)は今年7月からブレーキ性能の強化が、また9月からは長期排出ガス規制への対応が義務づけられる。
新排ガス規制は現行の1994年(平成6年)規制に比べ、窒素酸化物(NOx)を25%、粒子状物質(PM)や黒煙をほぼ半減させるという厳しい内容だ。規制対応のため新型車は数十万円値上がりしてしまい、運送業者は購入に二の足を踏んでいる。
そこで、何とか新車に買い替えてもらおうとメーカー各社がとった作戦が燃費のPRというわけだ。各社はエンジンの出力特性や駆動系のギア比を見直しつつ、運転者による燃費のバラツキを抑える半自動型のATを装備するなどし、好燃費による経費削減効果を訴えている。
大型トラックの平均使用年数は12年とされるが、仮に総走行距離を100万km、平均燃費3km/リットルとすると、ドラム缶1700本分に相当する約33万3000リットルの軽油を消費する。燃費が5%でも向上すれば1万6000リットル(1リットルあたり80円の換算だと、130万円)が浮く計算だ。
ただ、過当競争が進む運送業界だけに「燃費は良くなっても仕事がなければトラックの代金を払えねーぞ」と営業マンにボヤく運送会社の社長も…。