ジーメンス社のパッシブスタート/エントリーシステム(PASE)はヨーロッパではすでに多くのモデルに搭載されているキーレスエントリー/スタートシステムだが、アメリカでは開発中のキャデラック『クレスト』がこのシステムを搭載する初めてのモデルとなることが決定した。
キャデラックのためにジーメンスがキーレスエントリー・システムを提供するのは2002年モデルから。ヨーロッパではこのシステムにはスマートカードと呼ばれるクレジットカード状のものが使われているが、キャデラックでは小型リモコンのような形状が使われる。リモートコントロールによってドア、トランク、イグニッションなどが操作できるというものだ。
また完全パッシブモードでは、ドライバーがリモコンを持ってクルマに近付くだけでアンロックを始めすべての動作が行われる、という。またエンジンが始動する前に、リモートコントロールは自動的にこのリモコン装置が車内にあるか、またブレーキがかけられているかなどを確認する。
この「フォブ」と呼ばれるリモコン装置は懐中時計くらいの大きさで、鎖などでズボンのベルトに下げておくことができ、クルマに乗り込む際にキーを探す、などの手間が省けるほか、セキュリティとしても大きな役割を果たす。
クルマをスタートさせるには、座席に座ってインスツルメントパネル上のボタンを押すだけでオーケー。フォブを持たない人が近付いたり乗り込んだりしてもイグニッションはロックされた状態で決して始動しない。
メルセデスベンツが現在標準装備として採用しているキーレスエントリー/スタートシステム、キャデラックが導入することでこれからのラグジュアリーカーのスタンダードとなりそうだ。