米ゼネラルモーターズとGM大宇は声明を発表し、中国での一連のデザイン模倣紛争は和解という形で幕を閉じることとなった。
チェリー(奇瑞汽車)が年内に発売予定のセダン『A21』は、同社が独自にデザインしたものというが、実際は「某日本車メーカーを退職したデザイナーをコンサルタントとして雇い、その人物がディレクションしたもの」らしい。
良くも悪くも、なにかと話題の尽きないのが奇瑞汽車(チェリーモータース)。既報の通り今回は合計5台のコンセプトカーと量産車を展示していたのだが、会場でそれぞれについて興味深い情報を得ることができたので、一台ずつ紹介しよう。
奇瑞汽車の概念車『S16』は、同社の市販モデル『QQ』を未来的にブラッシュアップしたイメージ。「大きいことはいいことだ」の中国自動車市場に「クォリティコンパクト」の考え方を植え付けようという同社の意図が感じられる。
アメリカの自動車輸入業者、ブリックリン氏が中国からチェリー『QQ』を輸入し、アメリカ国内で販売する計画を発表したのは数カ月前。かつての日本車がそうであったように、最初は安いエントリーモデルでもいずれその品質が認められ、アメリカ車を脅かす存在になる、と期待してのこと。
GMは今年の始め、中国のチェリー・オートモビル社が販売している小型車『QQ』が、GMが現地で販売するシボレー『スパーク』に酷似している、としてチェリー社を訴えた。そして中国当局側は、チェリーはGM車を模倣していないという判断を下した。
デーウ『マティス』のコピー問題でネガティブなイメージが強い奇瑞汽車(チェリー)だが、オリジナルのデザインが開発できないわけではない。新型MPV『ニュークロスオーバー』は、3列座席の7人乗り。
GMの逆鱗に触れた、デーウ(大宇)『マティス』のそっくりさんが、奇瑞汽車(チェリー)の『QQ』だ。似ているのがフロントエンドだけなら「偶然」で済ますこともできそうだが…。
GMは、傘下のGM大宇が発売した自動車のデザインを盗用したとして、中国安徽省にあるチェリー(上汽集団奇瑞汽車有限公司)を告発した。英『フィナンシャルタイムズ』紙などが報じたもので、GMがチェリーを盗用で告発したのは、今年に入って2度目のことになる。