自動運転、高度運転支援(ADAS)に関するニュースまとめ一覧(266 ページ目)

自動運転の世界は、いまどんなフェーズを駆け上がり、どこへ向かっているかーーー

そのヒントは、国内で自動運転の舵取り役を担う戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の動きを俯瞰するとみえてくる。SIPは、内閣府がリーダーシップをとり、府省庁の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより科学技術イノベーションを実現するために2014年に創設された国家プロジェクト。

2019年7月までSIP自動運転推進委員会構成員を務め、現在は国土交通省車両安全対策委員、経済産業省・国土交通省自動走行ビジネス検討会委員でもある、国際自動車ジャーナリストである清水和夫氏にSIP 第1期から第2期へと向かう自動運転分野のいま、サポカーと自動運転、物流・移動サービスとオーナーカー、安全と安心感、快適性といった、自動運転まわりのトレンドを聞く。

聞き手は、SIP自動運転推進委員会構成員でモータージャーナリストの石井昌道氏。


清水和夫氏

清水:いまニュースは、MaaS(Mobility as a Service シームレスにつなぐ新たな移動)とかトラックの自動縦列走行やロボットタクシーに注目が集まって、オーナーカーの自動運転は高額な高級車だけにある機能にみえて一般ユーザがついてこないという感じですよね。

需要や関心度としては、過疎地や物流の課題を救う手段として物流移動サービスのほうが高い。オーナーカーの自動運転フェーズはいま高速道路のなかにあって、歩行者事故の分野にはまだ至ってない。だからまだ「高速道路を行く高級車の車内でハンドルから手を離してスマホや雑誌をながめる」といったイメージしか浮かばないかもしれない。

でもね、最初は高額な高級車の自動運転技術であっても、その実現がないとレベル4へもステップアップできないし、オーナーカーがレベル3で培った技術は、物流移動サービスにも波及するから、やっぱり物流もオーナーカーも両面から進化していかないと。

石井:なるほど。では、安全と快適性について。これはどう違うのか。

清水:すでにACC(Adaptive Cruise Control)などはドライバーは当たり前のように使う機能に普及した。前のクルマにロックオンして追従していけば楽だし、最も左の走行車線を一定の速度で行くという選択もできる。そういう意味ではACCは自動車メーカーでは快適技術として位置づけられていた。で、ACCの延長線上に自動運転の技術が生まれてくるとは思いますけどね。

石井:安全と快適性のなかに、安心が入ってこないと、クルマとドライバーが共存できませんよね。

清水:これはもう永遠のテーマで、たとえばタイヤのグリップ性能とウェット性能のように、安全基準を満たしていても安心感はないという事象っていっぱいありますよね。ユーザがその製品に共感できるか否かは、やっぱり「安心かどうか」なんですよね。さらに安心なくして快適はないから、ユーザ目線でいうと安心が前提にあって、安心だから快適があって、楽しさもある。だから底辺は安心、その上に順に快適、楽しさがのる。

清水和夫氏

石井:開発現場では「開発すればするほど、壁が立ちはだかる」っていいますね。やはりレベル3はそうかんたんじゃないと。

清水:大事なのは社会やユーザが何を求めて、自動運転を手に入れたらどんな幸せがあるのか。カスタマーベネフィットみたいなところまで考えていかないと。いっぽうで、自動運転車両は高い買い物なので、スバルのアイサイトを10万円でつけるか、100万円の自動運転機能付き車両を買うかもいろいろあると想うし、駆ってくれないと技術は進歩しないし、普及しないとコストは下がらないし、と。負のスパイラルに陥っちゃう。

石井:その先はけっこう難しそうですね。

清水:高級車から自動運転レベル3が入ってきて、こんどはいかに大衆車に自動運転技術を入れ込んでいくかがカギですよね。でも日本はこれまで、軽自動車にエアバッグとプリテンショナーベルトを一気に導入させた実績を持つ国だから、「これがいいんだ!」って確信したら、オールジャパンでダーッてかなりの勢いで普及すると思いますね。

だから軽自動車側からサポカーが進化して、高級車カテゴリから自動運転がすすんでごその技術が大衆車へおりてくる。その出会うポイントがプリウスとかカローラといったCセグメントで、2024年か2025年といわれてますよね。


インタビュー全文はこちら


  • SIP cafe 自動運転ガイド
  • SIP cafe とは

    SIP cafe とは

    『SIP cafe』は直面する次世代モビリティについて考え、自動運転のいま、自動運転がもたらす未来社会について情報を発信していくコミュニティサイトとして2019年10月に開設。一方的な最新情報の発信だけでなく、広く多くの人たちが集まって議論していくための“広場”としての役割を担う。SIP cafeの主宰であり“マスター”の清水和夫氏は、「反対する意見もどんどんぶつけあって、議論していく場所にしたい」と語っている。

    » 詳しくはこちら
ZMP、MATLABコネクション2を発売…自動運転・予防安全技術研究開発用アプリ 画像
自動車 テクノロジー

ZMP、MATLABコネクション2を発売…自動運転・予防安全技術研究開発用アプリ

ゼットエムピーは8日、カーロボティクス・プラットフォーム「RoboCar1/10」のMATLAB/シミュリンク用アプリケーションの最新版「RoboCar 1/10 MATLABコネクション2」の販売を開始した。

ボルボの「ロードトレイン」…驚異の自動運転[動画] 画像
自動車 テクノロジー

ボルボの「ロードトレイン」…驚異の自動運転[動画]

ボルボカーズが提唱する未来の安全技術プロジェクト、「ロードトレイン」。その最新映像が24日、ネット上で公開された。

BMWのロボットカー、驚異の自動運転[動画] 画像
自動車 テクノロジー

BMWのロボットカー、驚異の自動運転[動画]

衝突事故による死者を減らすなど、交通安全を目的に、各自動車メーカーが開発に取り組んでいるロボットカー。BMWは自動運転技術を搭載するテストカーの映像を20日、ネット上で公開した。

VW eT!…自動運転も可能な未来の商用EV 画像
エコカー

VW eT!…自動運転も可能な未来の商用EV

フォルクスワーゲンは18日、商用EVコンセプトカーの『eT!』の概要を明らかにした。

グーグルのロボットカー、死者ゼロへ自動運転[動画] 画像
自動車 テクノロジー

グーグルのロボットカー、死者ゼロへ自動運転[動画]

グーグルが現在、実用化を目指して開発に取り組んでいるロボットカー。その最新映像が、ネット上で公開されている。

大矢アキオの『ヴェローチェ!』…パリ最初の地下鉄が自動運転に 画像
自動車 ビジネス

大矢アキオの『ヴェローチェ!』…パリ最初の地下鉄が自動運転に

パリ地下鉄1号線といえば、凱旋門やシャンゼリゼ通りの真下を走ることから、乗ったことのある読者は多いと思う。総延長は16.6km、1日あたりの乗降客数は72万5000人で、パリ交通営団(RATP)が運行する地下鉄14路線中最多である。

【オートモーティブ ワールド11】自動運転をにらんで開発したEV…ゼットエムピー 画像
エコカー

【オートモーティブ ワールド11】自動運転をにらんで開発したEV…ゼットエムピー

ゼットエムピーは今回初めて電気自動車(EV)関連の展示会である「オートモーティブ ワールド」に出展した。同社はロボットメーカーで、これまで二足歩行ロボットをはじめ、学校教材用のロボットを製作してきた。

「車は自動運転が望ましい」…グーグルCEO発言 画像
自動車 ビジネス

「車は自動運転が望ましい」…グーグルCEO発言

米グーグルのエリック・シュミットCEOは9月29日、サンフランシスコで開催したイベントで講演し、「車は自動運転が望ましい」とする自らの考えを明らかにした。

車間15mの自動運転・隊列走行実験に成功…NEDO 画像
自動車 テクノロジー

車間15mの自動運転・隊列走行実験に成功…NEDO

独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO・村田成二理事長)は、高速道路を利用したトラック輸送で、大型トラック3台を車間距離15mに保って自動運転で隊列走行することに成功したことを発表した。

メルセデス、自動運転化技術を披露 画像
自動車 テクノロジー

メルセデス、自動運転化技術を披露

ダイムラー社は11日、同社がメルセデスベンツ車用に開発する安全システムの一環としての“運転自動化技術”を、シュツットガルトの本社近くに位置するジンデルフィンゲン工場の敷地内で行われた「TecDay」の中で初披露した。

STマイクロ、NAVTEQと高度運転支援システムを共同開発 画像
自動車 ビジネス

STマイクロ、NAVTEQと高度運転支援システムを共同開発

STマイクロエレクトロニクスは、デジタル道路地図と位置データを統合し、カーブ速度超過警告やヘッドライト制御などの高度運転支援システム(ADAS)を実現するため、NAVTEQ社と共同開発に関する契約を締結したと発表した。

【CES 08】ワゴナーGM会長、自動運転ビジョンへの参加を呼びかける 画像
エコカー

【CES 08】ワゴナーGM会長、自動運転ビジョンへの参加を呼びかける

8日(現地時間)、米ラスベガスで開催中の世界最大の家電展示会「CES」で、ゼネラルモーターズ・コーポレーション(GM)会長兼CEOのリック・ワゴナー氏による基調講演が行われた。自動車メーカーによる基調講演は、41年のCES歴史上初という。

【CES 08】これはSFではない…GMの自動運転構想 画像
自動車 ニューモデル

【CES 08】これはSFではない…GMの自動運転構想

GMは、10年以内に「自動で運転し、目的地に到達すると自動的に駐車する車」を開発、販売する、と発表した。

修学旅行 EV無料体験乗車…メガウェブ 画像
モータースポーツ/エンタメ

修学旅行 EV無料体験乗車…メガウェブ

東京臨海都心にあるMEGA WEB(メガウェブ)は、5月17日から6月29日までの平日、修学旅行などでメガウェブを訪れる学生を対象に、電気自動車『e-com』の自動運転乗車体験を無料で実施中だ。

日産 ブルーバード シルフィ を一部改良 画像
自動車 ニューモデル

日産 ブルーバード シルフィ を一部改良

日産自動車は、『ブルーバードシルフィ』を一部改良し、16日から発売開始した。今回の一部改良では、素肌に優しい「HADASARA」加工クロスをシート、コンソール、ドアクロス、ドアアームレストに採用した。

    先頭 << 前 < 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 > 次
Page 266 of 267