日本流「大箱」ミニバンの典型を追った商品企画。ロングスライド&平坦床面を安直に設計した結果、2〜3列目の床面が前傾=つま先下がりで、よい姿勢を保持できないのが残念。
いや、最近のホンダ。米国はともかく国内は? と思ってたけど安心しました。しっかり狙ってますね。まさに“ミニバンのホンダ”。
キチンと走れるLクラス・ミニバンをしっかり創造。全幅/全高比で見たときに、全幅のほうを広めているあたりも見識が高い。
ドライバーズシートに身体を収めると、いかにもクルーザーのような眺めである。庶民には縁遠い存在なのでイメージしにくいかもしれないが、カウルまでの距離がべらぼうに長い前方視界はまさにクルーザーのキャビンそのものの味わいだ。
もっとも軽いグレードで1.8トンあるけれど、5速ATとトルクのあるエンジンが効いているらしく2.4リッターの4気筒エンジン搭載車を選んでも”まぁ不満なく”走ってくれる。
プレミアム性が売り物ではあるものの、より好感が持てる走りの持ち主は4気筒モデルのほう。登坂路などシーンによっては非力感が否めないものの、フットワークやハンドリングの軽快感はこちらが6気筒モデルを上回る。
ミニバンが四角くてセダンが凸型なんて規則はない。こう見えても『エリシオン』は立派なセダンだ。2+3+3の8人(余裕を見れば2×3列の6人)をじつに安楽に運ぶのだから。
3列目に3人がけはさすがにツライが、足もとの余裕は十分。大人7人がゆったり乗れるフルサイズミニバン。その点はトヨタ『アルファード』、日産『エルグランド』と同じ。カッコは好みだが、足回りは2車よりしっかりしている。
『エルグランド』や『アルファード』ほど広大な室内スペースはないんだけれど、フロアが広くて乗り降りしやすいし、運転してもリヤタイヤが近くに感じるというか、あまりサイズを意識しないで運転できる。
世界トップの安全性を目指したと8人乗りといいながら、3点式シートベルトが6人分しかないのは不満。アコードワゴンは後席にしっかり3人分のインテグレーテッド3点ベルトが備わっている。
スッキリとした顔だちは上品だが、迫力という点では大人しい。室内は低めのフラットなフロアで、セカンドシートがワンタッチでたためて乗り込みしやすいのは特徴。
大きくて重いミニバンボディながら、3リッターエンジン搭載車は走りの余裕はじゅうぶん。ゆったりした感じのクルージングが楽しめるほか、静粛性や燃費性能にも優れる気筒休止機構付きなのが注目されるところ。
Lクラスミニバンの中でも、全高を除いてもっとも大きいのにそれを感じさせない。ハンドリングが比較的優れているためと、キャビンの見切りがほかのミニバンと比較してもさほど変わらないために大きく感じられないのだろう。
ホンダは、5月13日に発売した高級ミニバンのエリシオンの累計受注台数が6月7日で、計画の2.5倍の約1万台に達したと発表した。
日本自動車販売協会連合会が4日発表した5月の登録車販売ランキングによると、ホンダが同月13日に売り出した上級ミニバン『エリシオン』が20位となった。同クラスではトヨタ自動車の『アルファード』に次ぐ順位で、登録台数は3204台だった。