富士フイルムビジネスイノベーション、独自レーザー光源で広範囲の空間センシング技術を開発…CEATEC 2026

「Smart Addressable VCSEL」
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富士フイルムビジネスイノベーションは、複合機の高画質化・小型化を支えてきた光デバイス技術を応用した独自のレーザー光源「Smart Addressable VCSEL」を活用した空間センシング技術を開発した。

この技術は、レーザー光源やその制御機能をひとつのチップに集約することで小型化を実現している。取得した距離データを独自のアルゴリズムで解析することで、人や物の位置だけでなく、その動きや移動方向を広範囲で認識できる。

■150度超の広角センシングを実現

本技術は、発光部・受光部・距離計測回路・制御演算部で構成される。発光部から照射したレーザー光の反射光を受光部で捉え、その往復時間から距離データを取得する仕組みだ。

150度を超える広い範囲にレーザー光を照射し、測定エリアを分割した各照射領域の距離データを取得。このデータを独自アルゴリズムで解析することで、人や物の位置だけでなく、動きや移動方向も認識できる。

■複合機技術を融合した独自レーザー光源

技術の中核となる「Smart Addressable VCSEL」は、複合機・プリンターの高画質化に貢献してきた面発光レーザー(VCSEL)と、小型化を支えてきた自己走査型発光素子(SLED)の技術を融合したものだ。

24×24の格子状に配置された576個のレーザー発光点を複数の発光領域に分け、発光領域を高速に切り替える選択回路を集積している。これにより、レーザー光の照射位置を電気的に高速制御できる。さらに広角投影レンズと組み合わせることで、150度を超える広い範囲への照射を実現した。

■プライバシーに配慮、オフィス機器などへの展開を想定

カメラ映像ではなくセンサーで取得した距離データを解析する方式を採用しているため、プライバシーへの配慮や通信処理負荷の低減が求められる場面での活用が期待される。

具体的には、人の接近を検知して機器を自動起動・制御することで、使用までの時間短縮と省エネルギーを同時に実現する。また、人の動きを利用した非接触操作や、機器周辺の安全支援への活用も想定されており、オフィス機器や設備機器などへの展開を見込んでいる。

■まず複合機の省エネ技術に応用、CEATEC 2026にも出展予定

今後は、複合機に搭載されている省エネ技術「Smart WelcomEyes」をさらに進化させ、利用者の接近に応じた高精度な起動・省電力状態からの復帰を実現することで、利便性向上と省エネルギーの両立を図る。

さらに非接触操作や安全支援などへの応用も検討するとともに、設備機器をはじめとするさまざまな分野での活用可能性を探索していく方針だ。

本技術は「CEATEC 2026」(2026年10月13日~16日、幕張メッセ)への出展を予定しており、会場では空間センシングの仕組みと活用イメージを紹介する。

《森脇稔》

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