全国レンタカー協会監修・イード編集及び発行の「2026自動車レンタリース年鑑」の発刊を記念して、レスポンスビジネスでは年鑑の特集からレンタカー業界の注目キーパーソンインタビュー紹介します。レンタカーはコロナ禍の2021年を除いて、30年以上ずっと右肩上がりが続くモビリティサービスの優等生。この成長の要因と課題。成長の先にある未来のモビリティのヒントが語られます。「2026 自動車レンタリース年鑑」にはすべてのインタビューおよび業界トレンドを分析する特集、法令、レンタカー事業者の一覧などが収録されています。ぜひお手にとってみてください。
2026 「2026 自動車レンタリース年鑑」はこちらから移動は人と出会い、人生を豊かにする宝物──。国土交通省が考えるモビリティの未来とレンタカー
国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課長
星明彦(ほし・あきひこ)
1972年、宮城県生まれ。1998年に運輸省(現国土交通省)入省。自動車、航空、海上保安、観光分野の政策や国際業務に従事。観光庁沖縄総合観光施策推進室長および内閣府沖縄総合事務局運輸部長を経て、2025年7月よりモビリティサービス推進課長に就任。人口減少や公共交通の縮小による地域の分断・孤立の解消に取り組み、デジタル技術を活用した持続可能な地域交通政策を推進。趣味は自転車競技、トレイルランニング、アルペンスキー、料理。
◆モビリティサービス推進課の役割と「需要サイド」への視点シフト
---:昨年7月にレンタカー事業の所管がモビリティサービス推進課へと移管されました。この組織改編の狙いと、課としての役割についてお聞かせください。
星課長(以下、星氏):最大の狙いは、交通政策の立脚点を従来の“供給(事業者)目線”から“需要(利用者)目線”へと大きくシフトさせることにあります。これまでは物流・自動車局という枠組みの中で、事業をいかに管理しながら育てていくかという視点が中心でした。しかし、人口減少や担い手不足が深刻化する中、一人の生活者や観光客が“どう移動したいか”というマーケットインの発想で政策を再構成する必要が出てきました。当課は、地域交通におけるデジタル活用の標準化を進める「地域交通DX」や、自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)なども所管しています。レンタカーをこれらのモビリティサービスの一翼として位置付けることで、他の交通手段とのシームレスな連携を推進し、利用者の利便性を向上することを目指しています。
---:星課長はかりゆしウェアの印象が強いですが、これまでのご経験やご自身のキャリアの中で「ライフワーク」として捉えていることは何でしょうか。
星氏:直近は内閣府沖縄総合事務局に2022年から3年間在籍していましたが、まさにコロナ明けのレンタカー不足や価格高騰、その後の新規参入ラッシュといった激動の期間を間近で見てきました。沖縄は観光依存度が極めて高く、外出需要の変動を吸収するクッションとしてのレンタカーの重要性を肌で感じた時期でもあります。私は“移動は人と出会い、人生を豊かにする宝物である”と考えています。子どもが外の世界に触れて成長し、高齢者が誰かと会うことで生きがいを感じる。その営みを支えるモビリティは、日本という国が萎縮しないために不可欠なインフラです。どこでも自由に動ける選択肢を提供し続けること、それこそが私の仕事の核心だと考えています。
◆「安全・責任」と「地域共創」…2つの基本計画がレンタカー業界に寄せる期待
---:新しく閣議決定された「第3次交通政策基本計画」や「第5次観光立国推進基本計画」にはモビリティサービス推進課も関わっていらっしゃると思います。レンタカー業界にはどのような期待を寄せられていますか。
星氏:「第3次交通政策基本計画」(※)では「一人ひとりが豊かさと安心を実感できる持続可能な活力ある経済・社会を実現」することを目標に掲げています。今までは事業の持続性が主眼でしたが、利用者側の実感に軸足を移したことが大きな転換となっています。また「第5次観光立国推進基本計画」においては、地方のポテンシャルを引き出す役割を期待しています。特に地場の事業者の皆様は、地域の地理や魅力に圧倒的に詳しいという特徴を活かし、インバウンド含む観光客を魅了していただきたいと思います。何より地元企業が豊かになることは、レンタカーの売上がそのまま地域へ還元されることを意味します。また大手事業者の皆様に関しては、全国ネットワークを活かし、「どこでも安心して均一なサービスが受けられる」という安心感を提供することも非常に大きな役割だと思います。双方がお互いの強みを活かし、刺激し合いながら、日本の「伸びしろ」である地方観光を牽引していただきたいと考えています。




