<講師>
ボストン コンサルティング グループ(BCG) マネージング・ディレクター & パートナー
BCG産業財・自動車グループ 日本リーダー 滝澤 琢 氏
米・欧・中におけるEV市場は同一方向に収斂するのではなく、政策・需要構造・価格帯の違いにより明確な地域分断が進んでいる。
本講演では、BCGレポートの分析を踏まえ、この構造変化が日本メーカーの電動化戦略に与える影響を整理する。特に、ICE/HEVの想定外の延命が収益確保に寄与する一方で、BEV前提で設計された次世代E/EアーキテクチャーやSDV投資との二重構造を生み、開発資源・投資配分の再設計を迫っている点に焦点を当てる。地域別最適化と急速に進むSDV化への対応の観点から、日本OEMの次の一手を提示する。
1.EV市場の地域分断と戦略再設計
・中国:価格競争・垂直統合型モデルの高度化
・欧州:規制主導だが価格疲労顕在化
・米国:HEV需要拡大とティッピングポイント未到達
→ グローバル一律戦略から地域別最適化へ
2.ICE/HEV延命がもたらす「収益機会」と「構造的負担」
・短中期的には利益確保に寄与
・しかしパワートレインの地域分散投資が継続
・BEV向け次世代E/Eとの並行投資という二重構造
3.SDV(Software Defined Vehicle)時代におけるE/Eアーキテクチャーの課題
・BEV前提で設計された中央集約型E/Eアーキテクチャー
・ICE/HEVもSDV化が必要
・パワートレイン非依存のE/Eアーキテクチャー統合が鍵
→ 問題は電動化そのものではなく「スピードとソフトウェア」
4.日本メーカーの選択肢と分岐点
・全方位戦略は“保守”ではなくリアルオプション
・ただしE/Eまで全方位にすると競争力低下
・投資集中領域の明確化(E/Eアーキテクチャー・ソフト・開発速度)
→ 「電動化企業」から「ソフトウェア化モビリティ企業」への転換
5.質疑応答


