トヨタ紡織と協力、自動車内装材の端材から「アスファルト改質剤」開発…リファインバース

自動車内装材の複合素材からマテリアルリサイクルを実現
  • 自動車内装材の複合素材からマテリアルリサイクルを実現
  • 自動車内装材の端材利用の「アスファルト改質剤」を一宮工場に施工の様子

リファインバースグループは、自動車内装材の裁断時に発生する端材から再生した新素材「REOCA」(リオカ)を開発し、販売を開始した。世界初となる自動車内装材からアスファルト改質剤へのマテリアルリサイクルだ。

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自動車内装材は車種に応じた形状に裁断される過程で端材が発生する。世界全体で年間約14万トン、日本国内でも年間約1.6万トンの内装材端材が発生しており、大部分がサーマルリカバリー(焼却による熱回収)によって処理されている。

自動車内装材は複数の素材が組み合わされている複合材であることから、素材ごとの分別や再資源化が困難であり、長年にわたり「再利用困難な廃棄物」とされてきた。

リファインバースグループはトヨタ紡織と協業し、自動車内装材の再資源化について検討を進めてきた。用途開発の過程において、株主である稲畑産業による協力もあり、世界初となる自動車内装材からアスファルト改質剤へのマテリアルリサイクルの開発に成功した。

これまで廃棄されていた資源に新たな価値を与え、「自動車の内装」から「未来の道路」へとつなぐ、広義の「Car to Car」循環を実現した。

新素材「REOCA」は、一般的なアスファルト舗装と比較して約2.3倍の耐久性を持つ。これにより舗装の長寿命化が実現し、補修頻度の低減による交通渋滞の緩和や、スマートモビリティ社会への貢献も期待される。

また、従来の焼却処理と比較してCO2排出量を大幅に削減できる。自動車の内装材を道路舗装材として再利用することで、広義の「Car to Car」循環を実現し、環境負荷の低減に貢献する。

2025年3月には、リファインバースグループ一宮工場にて「REOCA」を用いた駐車場舗装の実証実験を実施した。施工から半年が経過した現在も変形やひび割れなどは生じておらず、高い舗装性能が確認されている。

今後は、店舗・工場・物流拠点などの舗装用途へ順次拡大していくとともに、さらなる用途拡大に向けた技術開発についても進めていく予定だ。

また、本開発を機にトヨタ紡織との協業を一層強化し、自動車内装材のリサイクルをはじめとした資源循環の取り組みを推進していく。

リファインバースグループは20年以上前からサーキュラーエコノミーを実践し、様々な素材の再生・開発に取り組んでいる。タイルカーペットの再生素材「リファインパウダー」、廃漁網や廃車エアバッグからの高品質リサイクルナイロンペレット「REAMIDE」(リアミド)、鳥の羽根を原料にしたバイオ素材「ReFEZER」(リフェザー)など、ビジネスの力で循環型社会を実現するため事業の拡大と研究を行っている。

《森脇稔》

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