運転中に地震が発生したらどうすべきか---9月1日「防災の日」

関東大震災時(1923年)の東京銀座
  • 関東大震災時(1923年)の東京銀座
  • 新潟県中越沖地震(2007年)、新潟県柏崎市
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  • 新潟県中越地震(2004年)、新潟県小千谷市
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  • 岩手・宮城内陸地震(2008年)、岩手県一関市
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  • 熊本地震(2016年)、熊本県益城町

運転中に地震が発生した場合、あるいは緊急地震速報を受信した場合、どう行動すべきか。9月1日は1923年(大正12年)に発生した関東大震災の日であり、「防災の日」として全国的に防災意識を高める日とされている。

警察庁や消防庁などの行政機関、保険会社や自動車メーカーが示す情報に基づき、推奨される行動を以下にまとめた。自身や同乗者、周囲の安全を守るための参考としたい。

◆走行中、地震を感じたら

(1)パニックを避け、急操作を控える……急ハンドルや急ブレーキは絶対に避ける。車体の安定を保ち、追突や横転など二次災害を防ぐためだ。

(2)安全に左側へ停車……ゆっくり速度を落とし、ハザードランプを点灯させてから道路の左端に停車する。特にトンネルや橋の上では亀裂や落下物に注意し、安全に通過できるのであれば徐行して進行、難しければ端に停車し、揺れが収まるまで待機する。

(3)情報収集……停車後はカーラジオやスマートフォン、防災アプリで地震情報・交通情報・停電などの状況を確認し、今後の判断材料とする。

(4)車両から離れて避難する場合……やむを得ず車から離れる場合は、以下を守る。

窓を閉め、エンジンを停止する。
エンジンキーは付けたまま、または車内の分かりやすい場所に置く。
ドアはロックせずに車外へ出る。
緊急車両の通行や避難の妨げにならない場所に移す(できれば駐車場など道路外へ)。
道路上に車を置く場合は、後続車や救助活動の妨げにならないよう配慮する必要がある。

(イメージ)(イメージ)

(5)続けて運転する場合の注意点……道路損壊、信号機停止、倒木や障害物などに十分注意する。特に緊急車両の通行を優先する場面では、警察などの誘導に従うこと。

(6)津波など二次災害への対応……津波警報などが出ている場合でやむを得ず車を使うときも、十分注意して道路状況を確認しながら運転する。この場合も信号機の停止や道路の破損、障害物など、通常とは異なる交通状況に対応する必要がある。

●まとめ(基本対応)

(1)パニックを避ける……急ハンドル・急ブレーキをしない。
(2)左側に停車……徐行しながら安全に停車・ハザード点灯。
(3)情報収集……ラジオやスマホで地震・交通情報を確認。
(4)車から離れる際……窓を閉め、エンジンオフ、キーは残す、ロックせずに避難。
(5)運転継続時……道路や信号、障害物・緊急車両への配慮を忘れない。
(6)津波等二次災害……警報時は特に慎重に判断・運転する。

岩手・宮城内陸地震(2008年)、岩手県一関市岩手・宮城内陸地震(2008年)、岩手県一関市

◆状況別の対処法

(1)高速道路上での地震発生時

急ブレーキ禁止:追突事故防止のため、ハザードランプを点灯しながらゆっくり減速する。
路肩または非常駐車帯に停車:本線上で停まると二次事故の危険が大きいため、可能な限り安全なスペースへ移動する。
橋やトンネル内では出口をめざす:構造物の破損・崩落の可能性があるため、揺れの最中でも徐行して出口へ移動。難しい場合は端に寄せて停車する。
車内や路肩には残らない:他の通行車両にはねられないため、車内や路肩には残らず、非常駐車帯やガードレールの外など、安全な場所に避難する。

(2)夜間に地震が発生した場合

ハザードランプ、車幅灯を点灯したまま停車:後続車に存在を知らせる。
懐中電灯やスマホライトを活用:停車後、車外に出る場合は照明で自身の存在を示す。
暗所での徒歩移動は極力避ける:街灯が少ない場所では段差・瓦礫・電線の落下に気付きにくいため、やむを得ない場合のみ慎重に行なう。

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(3)子ども同乗時

シートベルト・チャイルドシートをそのまま保持:揺れの最中に外すと転倒・負傷リスクが高い。揺れが収まってから安全確認の上で行動する。
不安軽減の声かけ:パニックを抑えるため、親や同乗者が冷静に声をかける。
避難時は抱っこや手をつなぐ:混乱の中で迷子や転倒を防ぐために必要である。

(4)高齢者同乗時

揺れが収まってから移動開始:慌てると転倒しやすいため注意が必要。
杖や歩行補助具をすぐ使える場所に置く:車外避難を想定して手元に置く。
体調変化への配慮:地震後の緊張で血圧や心臓に負担がかかることがあるため、落ち着いて休める体勢を確保する。

●まとめ(状況別)

(1)高速道路上……徐行しながら路肩へ。橋やトンネルは出口へ。車外移動時は気をつけて。
(2)夜間……ハザード・車幅灯で存在を示す。懐中電灯を使用。暗所での徒歩移動は最小限に。
(3)子ども同乗……シートベルト保持。揺れ後に移動。不安軽減の声かけ、避難時は抱っこ・手をつなぐ。
(4)高齢者同乗……慌てず行動。杖などを準備。体調変化に注意し、休める体勢を確保。

《高木啓》

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