NTT、6G向け高速通信技術を大幅進歩…300GHz帯で世界最高280Gbps信号生成に成功

増幅器ICの顕微鏡写真(左) 増幅器モジュールの外観写真
  • 増幅器ICの顕微鏡写真(左) 増幅器モジュールの外観写真
  • 増幅器モジュールと歪補償技術を組み合わせた信号生成システムの測定系
  • 成した280Gbps(35GBaud 256QAM)変調信号のコンスタレーション

NTT、NTTイノベーティブデバイス、キーサイトテクノロジーズは、300GHz帯において世界最高データレート280Gbpsの信号生成に成功したと発表した。

6Gでは、広い帯域を活用可能なサブテラヘルツ波による高速無線通信や高精度レーダーセンシングが期待されている。しかし、300GHz帯での高速・高出力な信号生成は、信号の増幅が必要になることと、高速・高出力になるにつれて信号の歪の悪影響が増大することにより、従来では実現が困難だった。

今回の研究では、NTTが広帯域なインピーダンスマッチング回路と低損失な合波器回路を搭載した増幅器集積回路を新たに設計・開発した。この増幅器ICは、NTTが独自に開発した高速動作が可能なInP系化合物半導体を使用して設計されている。また上述の回路構成により、従来では困難であったJ帯の全周波数領域での低損失な信号合成を実現し、J帯フルバンドでの高出力化を達成している。


《森脇稔》

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