村田製作所は、パワー半導体用NTCサーミスタ「FTIシリーズ」を商品化したと発表した。世界初となる樹脂モールド構造かつワイヤーボンディング対応のNTCサーミスタであり、パワー半導体の近傍に設置することで、その温度を正確に計測することが可能だ。使用温度範囲をマイナス55度からプラス175度まで保証しており、発熱量の大きい自動車のパワートレイン用途に適している。
近年、自動車の電装化や高機能化が進む中で、高出力かつ高効率なパワー半導体の重要性が一層高まっている。一方で、パワー半導体は発熱量が大きく、高温による破損リスクが課題となっている。従来のサーミスタは高電圧環境に耐えられず、半導体から離れた位置に設置せざるを得なかったため、正確な温度検知が難しく、性能を十分に発揮できないという問題があった。