ポルシェは、エンジニアリング部門が人工知能(AI)を活用した自動車開発プロセスの革新に成功したと発表した。同社は複数のプロジェクトを通じて、AIが開発時間とコストの大幅な削減に貢献することを実証している。
特に注目されるのは、衝突安全性能の分野でAIを活用した取り組みだ。ポルシェは強化学習と呼ばれるAI手法を用いて、サイドスカートの衝突構造や拘束システムの設計を最適化している。この手法では、仮想エージェントが環境と相互作用しながら、フィードバックを通じて継続的に学習を行う。
従来の有限要素法(FEM)によるシミュレーションは精度が高いものの、1回の計算に最大72時間もかかることがあった。AIを活用することで、必要なFEM計算の回数を大幅に減らすことができ、結果としてコストと時間の削減につながっている。