日産自動車は2月13日、2024年度の第3四半期決算を発表した。売上高や利益は、販売台数の減少や販売奨励金の増加、インフレーションの影響を受けて、前年比で減少した。通期業績見通しを下方修正し、未定としていた当期純利益が800億円の赤字となる見通しを明らかにした。
●売り上げは微減だが減益が大きい
2024年度第3四半期累計(2024年4月1日~2024年12月31日)の連結売上高は、前年同期比で微減の9兆1432億円、連結営業利益は86.6%減の640億円、売上高営業利益率は0.7%、経常利益は70.5%減の1594億1700万円、当期純利益は98.4%減の51億円となった。
2025年3月期第3四半期累計の連結経営成績
%は対前年同四半期増減率
売上高:9兆1432億0700万円(0.3%減)
営業利益:640億1000万円(86.6%減)
経常利益:1594億1700万円(70.5%減)
親会社株主に帰属する四半期純利益:51億4800万円(98.4%減)
●中国が不振、北米のみ好調
日産によるとグローバル全体需要は、前年同期比1.9%増の6345万台。その中で日産グループのグローバル小売台数は1.8%減の239万7000台だった。
中国市場で引き続き厳しい状況が続いており9.1%減の49万7000台となった。北米が好調で2.4%増の94万台、日本は2.6%減の32万8000台、欧州が同じく2.6%減の23万8000台。中国を除く地域の合計台数は微増だが、北米のプラスを日本と欧州のマイナスが打ち消した。足元の第3四半期単期では、北米では10%近く増加しているものの、北米以外の各地域でのマイナス幅は大きくなっている。とくに中国は16.2%のマイナス。

営業利益の増減誘因については、販売パフォーマンスが2140億円で大きな減益要因となった。台数減および販売費用の増加などによるもの。インフレの影響は1060億円の減益要因となった。