荷待ち・荷役2時間ルール、コクヨロジテムがモノフルの管理システムを導入…2024年問題

トラック待機場と台貫(重量確認)
  • トラック待機場と台貫(重量確認)
  • バース管理システムの概略(端末でトラックの接車バースや接車時間を一元で予約・記録・見える化ができる)
  • トラック簿:PCメイン画面イメージ
  • トラック簿:アラートリストイメージ
  • トラック簿:受付タブレット画面イメージ
  • トラック簿:受付時の様子
  • トラック簿:バースの管理
  • トラック簿:トラック呼び出しの様子

倉庫・運輸事業者のコクヨロジテム(本社:大阪市)は2023年5月から、同社の物流センター17拠点にモノフルのバース管理システム「トラック簿」を導入した。トラック物流「2024年問題」対策のひとつとして、荷待ち・荷役作業時間の短縮を図る。

◆荷待ち・荷役作業管理システム導入の背景

経済産業省「持続可能な物流の実現へ向けた検討会」で提出された荷主・物流事業者が取り組むべき事項案として、「荷待ち・荷役作業等原則2時間以内ルール」が打ち出された。荷主事業者には、荷待ち、荷役作業等にかかる時間を原則として計2時間以内とすることが求められる。すでに2時間以内となっている荷主事業者はさらなる時間短縮に努める。

いっぽうで荷待ち時間・荷役時間の状況把握について「把握している」荷主事業者は10~20%、積み込み・荷降ろしの場所であるバースの運用管理システムを導入している荷主事業者は約7%であることも発表されている。

コクヨロジテムでも一部の物流センターでバース管理システムを導入していたが、じゅうぶんに機能を使えていないケースや、紙で管理している物流センターでは分単位での時間を管理できていないケースもあったという。

コクヨロジテムでは、バース管理システムを導入してアナログな管理を廃止することで、同じ基準で漏れなく正確に時間を把握できるようになった。今後は時間の正確な把握だけでなく、他の施策と掛け合わせることでより効果が最大化する方法を探っていく。

◆物流2024年問題について

「働き方改革関連法案」の適用により2024年4月1日以降、ドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題の総称を「2024年問題」と呼ぶ。荷待ち・荷役作業などの時間を短縮することも対策のひとつだ。

現在、荷待ち・荷役作業の問題点として
・積み降ろしともに、バラのため作業時間が数時間に及ぶ。
・朝からトラックが待機しており、午前中にトラック到着が集中する。
・物流センター・工場などそれぞれの構内ルールが多く、説明に時間がかかる。
・バースが混雑していて待機時間が長い。
・来場したトラックの情報を事務所から現場作業者に共有する連絡に時間がかかる。
・工場などで構内が広く、構内での移動時間が長い。
といったことがあげられる。


《高木啓》

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