スマホで音楽を聴くなら、接続法は「Bluetooth」で決まり…キーワードから読み解くカーオーディオ

スマホを「Bluetooth」にて接続しているときのメインユニットの画面の一例(カロッツェリア・DMH-SF700)。
  • スマホを「Bluetooth」にて接続しているときのメインユニットの画面の一例(カロッツェリア・DMH-SF700)。
  • スマホを「Bluetooth」接続できる「メインユニット」の一例(ケンウッド・U382BT)。
  • 高音質なBluetoothコーデック「LDAC」に対応した「メインユニット」の一例(アルパイン・DAF11Z)。

カーオーディオシステムをバージョンアップさせようとしていろいろ調べてみると、専門用語が頻出する。当連載ではそれらの意味を1つ1つ解説している。現在は「メインユニット」に関連したワードに焦点を当てている。

◆車内でスマホを繋ぐなら、もっとも便利なのは「Bluetooth」!?

前回からは、「メインユニット」とスマホとを繋ごうとするときに使われる用語について説明している。で、今回は「Bluetooth」をクローズアップする。

ちなみに今や「Bluetooth」は、日常生活の中のさまざまなシーンで使われている。なので、この言葉を耳にしたことがないというドライバーはほぼいないはずだ。しかし、これが何なのか、そしてカーライフではどう活躍するのかがいまいちピンときていないというのなら、当記事をぜひ熟読してほしい。

まず「Bluetooth」とは、簡単に言うなら以下のとおりだ。「近距離でデジタル機器のデータ通信をやり取りする無線通信技術」だ。でこれは、「メインユニット」とスマホとを繋ごうとするときの本命の手段となっている。

そうである理由は主には3つある。まず1つ目は、「コードが不要になるから」だ。結果、コードを繋ぐ作業が要らなくなり、コードの長さに縛られることなくスマホをどこにでも置いておける。そしてコード自体が邪魔になることもない。

これが便利である2つ目の理由は、「車載機器側でも主要な操作を行えるから」だ。なぜなら「Bluetooth」は相互通信であり、車載機器側からも情報を送れる。なので「AUX端子」を使ってアナログ接続する場合と比べての利便性がかなり高い。

スマホを「Bluetooth」接続できる「メインユニット」の一例(ケンウッド・U382BT)。スマホを「Bluetooth」接続できる「メインユニット」の一例(ケンウッド・U382BT)。

◆「Bluetooth」なら、都度の接続作業が必要なくなる!

そして「Bluetooth」が便利である3つ目の理由は、「都度の接続作業が必要ないから」だ。最初にペアリングしなければならないが、それさえ行っておけば以後はクルマに乗り込みエンジンをかけて「メインユニット」が起動すれば自動で繋がる。つまりスマホはポケットに入れたままでもOKだ。実はこの点はメリットとしてかなり大きい。

ところでかつては、「Bluetooth」は音質性能的には不利だとされていた。しかし今はその点においてネガティブに捉える必要はなくなっている。近頃の「Bluetooth」は、以前と比べて音質は良い。

なお、「Bluetooth」には「コーデック」違いがさまざまある。「コーデック」とは、音楽信号を「Bluetooth」の電波にて送る際の圧縮と解凍の方式のことを指す。で、「コーデック」には「サンプリング周波数」と「量子化ビット数」のタイプ違いがいくつかあり、それにより音質の差が出る。ただし転送レートや遅延の有る無しも影響するので、どれが高音質なのかは一概には言えない部分もある。なおその中で現状もっとも音が良いとされているのは、「LDAC(エルダック)」だ。

高音質なBluetoothコーデック「LDAC」に対応した「メインユニット」の一例(アルパイン・DAF11Z)。高音質なBluetoothコーデック「LDAC」に対応した「メインユニット」の一例(アルパイン・DAF11Z)。

◆「LDAC」に対応した「メインユニット」は増えているものの…

ちなみに最近は、「ハイレゾ音源」に相当するクオリティで音楽信号を送れる「コーデック」が「LDAC」以外にもいくつかある。具体的には「aptX HD(アプトエックスエイチディ)」、「aptX Adaptive(アプトエックスアダプティブ)」等がそれに該当する。

で、この中でもっとも高音質なのが先述したとおり「LDAC」で、これに対応している「メインユニット」も徐々に増えてきた。

ただ「LDAC」はソニーが開発した規格であり、Android端末には普及が広がりつつあるものの現状iPhoneでは採用されていない。このことは頭に入れておこう。

ところで「Bluetooth」には世代違いがある。で、基本的には機種間で世代が違っていても使用できるが、使えない場合もある。4.0よりも前のバージョンと4.0以降のバージョンとでは、一般的には互換性がない。とはいえ「SMART READY」という仕様も存在し、これならば、4.0以降と3.0までの通信方式の両方に対応する。もしも愛用の「メインユニット」のバージョンが4.0より前だったら、「Bluetooth SMART READY」に対応したスマホを使おう。

また「プロファイル」違いもいろいろとある。「プロファイル」とはつまり、「Bluetooth接続するためのルール」だとイメージしてほしい。例えば、通話のためのルールがあったり音楽を聴くためのルールがあったりする。なのでヘッドセットを買う場合には、通話だけの目的か音楽も聴きたいかで買うべきモデルが変わってくるが、「メインユニット」では音楽を聴くための「プロファイル(A2DP)」に対応していない機種はないので、この点も気にする必要はないだろう。

今回は以上だ。次回以降も分かりにくい用語の意味w解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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