ホンダは自動運転モビリティサービス専用車両『クルーズ・オリジン』の開発をGMクルーズホールディングス、ゼネラルモーターズ(GM)と共同で進めている。9月末には日本仕様の量産モデルの試作車が完成したと発表しており、2020年代半ばから東京都心部でクルーズ・オリジンを活用した自動運転モビリティサービスを開始する予定だ。
この取り組みの裏で、ホンダは2020年2月に同社の自動運転モビリティサービスの企画運用を目的としてホンダモビリティソリューションズ(HMS)を設立した。HMSの代表取締役社長である高見聡氏は、10月末に開催された第14回Japan IT Week秋の特別講演に登壇し、同社における自動運転モビリティサービスの展望について語った。
◆競争から共創へ、新たな分野への投資を加速

ホンダは創業者である本田宗一郎の言葉にある「技術は人のためにある」という考えのもと、製品やサービスを世の中に広めてきた。一方で、高見氏は「そのものづくりへのこだわりから、人真似はしない、自前主義の風土があった」と明かした。
それが最近になって競争から共創へという考えになり、ベンチャーとしての独自性とホンダの技術のバックアップの両立を目指す形で、新会社の設立に至ったという。ここで高見氏が挙げたのは採用の重要性で、社外の幅広い領域から、従来のホンダとはひと味違う人材を集めていることに言及した。