南海が平均10%の運賃値上げへ…難波-中百舌鳥間に特定運賃 2023年10月予定

運賃値上げを視野に設備投資を進める南海では、2025年度を目標に約23億円を投じて新たな観光用特急車両の投入を計画。写真は高野線の観光列車『天空』。
  • 運賃値上げを視野に設備投資を進める南海では、2025年度を目標に約23億円を投じて新たな観光用特急車両の投入を計画。写真は高野線の観光列車『天空』。
  • 車両更新では、約146億円を投じて多言語対応の液晶モニターやバリアフリー設備などを備えた省エネタイプの新造車を投入する計画。写真は8300系。
  • ホームドアの整備では、2024年春頃に難波駅に続いて中百舌鳥駅4番線ホームにも設置を計画。写真は難波駅のホームドア。
  • 踏切道の安全対策では、2026年度までに約5億円を投じて踏切道内の車椅子や歩行者、自転車などを検知する性能を高めた平面式踏切障害物検知装置を44の踏切道に導入する計画。

南海電気鉄道(南海)は10月28日、国土交通省に対して鉄道線旅客運賃の変更認可申請を行なったと発表した。2023年10月の運賃改定を予定している。

南海では、コロナ禍の影響で利用者が減少する一方で、車両更新や新たな観光列車の導入、ホームドアの追加整備、車内防犯カメラの設置、クレジットカードやQRコード対応の次世代改札機の設置、踏切道の安全対策など、必要な設備投資を継続する必要があるとして、消費税率の変更に伴なうものを除けば1995年以来28年ぶりとなる運賃改定に踏み切ることになった。

車両更新では、約146億円を投じて多言語対応の液晶モニターやバリアフリー設備などを備えた省エネタイプの新造車を投入する計画。写真は8300系。車両更新では、約146億円を投じて多言語対応の液晶モニターやバリアフリー設備などを備えた省エネタイプの新造車を投入する計画。写真は8300系。

平均改定率は10%(普通運賃9%、通勤定期運賃12.3%、通学定期運賃4.5%)で、定期運賃の割引率は通勤用が38.8%から37%に引き下げられるが、逆に通学用は79.1%から80.2%に引き上げられる。

ホームドアの整備では、2024年春頃に難波駅に続いて中百舌鳥駅4番線ホームにも設置を計画。写真は難波駅のホームドア。ホームドアの整備では、2024年春頃に難波駅に続いて中百舌鳥駅4番線ホームにも設置を計画。写真は難波駅のホームドア。

これにより普通運賃は、3kmまでが20円、15kmまでが30円、16km以上は40円引き上がるが、難波駅(大阪市中央区)と泉北高速鉄道の分岐駅である中百舌鳥駅(堺市北区)との間は、改定後の運賃が370円(現行340円)となるところ、特定運賃が設定され350円となる。

なお、空港線の加算運賃やりんくうタウン~関西空港間の特定運賃は据え置かれる。

踏切道の安全対策では、2026年度までに約5億円を投じて踏切道内の車椅子や歩行者、自転車などを検知する性能を高めた平面式踏切障害物検知装置を44の踏切道に導入する計画。踏切道の安全対策では、2026年度までに約5億円を投じて踏切道内の車椅子や歩行者、自転車などを検知する性能を高めた平面式踏切障害物検知装置を44の踏切道に導入する計画。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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