新連載[カーオーディオ名機の系譜]ロングセラースピーカー、フォーカル『K2パワーシリーズ』の魅力

フォーカル・ES 165 KX2
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  • フォーカル・EC 165 K
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今回からスタートする当コーナーでは、カーオーディオ愛好家に支持されている実力ユニットを1つ1つクローズアップし、その魅力を紐解いていく。記念すべき第1回目の当記事では、フランスの名門「フォーカル」の看板スピーカー『K2パワーシリーズ』にスポットを当てる。

◆『K2パワーシリーズ』は、長きにわたり「フォーカル」の看板モデルであり続けてきた。

「フォーカル」は、押しも押されもしない世界的な実力スピーカーブランドだ。ゆえに製品ラインナップが特に多彩だ。ホームオーディオ用カーオーディオ用を問わず、エントリー機から超ハイエンドモデルまで幅広く人気機種を取り揃えている。

で、カー用スピーカーのフラッグシップ機として君臨するのは、『Utopia Be ULTIMA(ユートピア ビー ウルティマ)』だ。当機はツイーター、ミッドウーファー、サブウーファーから成る3ウェイコンポーネットキットで、その税抜価格はなんと200万円。正真正銘の最高峰スピーカーの1つだ。

そしてその下に実質的な旗艦スピーカーラインとなる『ユートピアMシリーズ』があり、この『K2(ケーツー)パワーシリーズ』がそれに続く。

なお『K2パワーシリーズ』はミドルグレードシリーズではあるものの、「フォーカル」のカースピーカーブランドとしての歴史において長きにわたり“看板ライン”であり続けてきた。ちなみに当シリーズの歴代の各機の振動板には伝統的に黄色の「アラミド系振動板」が採用されてきたが、そのカラーリングは「フォーカル」の象徴ともなっていた。

フォーカル・EC 165 Kフォーカル・EC 165 K

◆2016年のフルモデルチェンジにより、準完全新設計のニューモデルへと進化!

なお現行の『K2パワーシリーズ』は2016年に成されたフルモデルチェンジにて新登場したものだが、その黄色の「アラミド系振動板」は変わらず採用され、伝統が継承されている。しかし、振動板素材以外はほぼすべて刷新された。つまり準完全新規設計のニューモデルとなったのだ。

さて、どのように新しくなったのか、その技術的な特長を1つ1つ紹介していこう。まずツイーターにおいては新たな構造を持つ振動板が搭載されている。その名は「M型断面アラミドドーム振動板」(特許技術)だ。これにより車室内での指向特性が大幅に改善されていて、22kHzまでのスムーズな高域周波数特性と低歪率も実現されている。また「密閉型減圧バックチャンバー」が採用され、ミッドウーファーとの音の繋がりも一層スムーズになっている。

そしてミッドウーファーにも特許技術となる「TMD(チューンドマスダンパー)」が新搭載され、サラウンド(エッジ)部の振動の乱れをコントロールできるようになり、結果、中域周波数特性や指向特性、歪特性が改善されているという。その上で「ラジアルVCベンティングシステム」の採用によりポールピース周囲を前後に貫通する6個の通気口が設けられ、これにより生み出される気流の効果でボイスコイルを効率的に冷却できるようになり、応答特性やパワーハンドリング性能が高められている。

フォーカル・ES 165 KX3フォーカル・ES 165 KX3

◆ラインナップは計9モデルで構成。どれも高いコストパフォーマンスを発揮!

さて、現行の『K2パワーシリーズ』は、7つのコンポーネントスピーカーキットと2つの単体サブウーファーの計9アイテムにてラインナップが構成されている。

7つのコンポーネントスピーカーキットの内訳は以下のとおりだ。コアキシャルスピーカー×1セット、セパレート2ウェイスピーカー×5セット(10cmモデル×1、13cmモデル×1、16.5cmモデル×3)、セパレート3ウェイスピーカー×1セット、となっている。

売れ筋は、幅広い車種への取り付けが可能な16.5cmセパレート2ウェイモデルだ。具体的な品名は価格の手頃なものから順に、『ES 165 K』(税抜価格:8万円)、『ES 165 K2』(税抜価格:9万9000円)、『ES 165 KX2』(税抜価格:12万円)、以上だ。

なお『K2パワーシリーズ』は、有名ブランド「フォーカル」の看板シリーズでありながら、その多くが10万円以下の価格設定となっている。しかし各機とも、1グレード上の価格帯の製品に迫る音質性能を有していると評価されることが多い。そしてそのサウンドは、美しさや力強さといったこれならでは魅力に富んでいる。ゆえに多くのファンに愛用されている。

ちなみに、磁気回路やフレーム等の作りが確かなだけあって、このクラスのモデルとしては取付奥行き寸法が少々長めだ。なので車種によっては取り付けにおいて追加加工が必要になることがある。しかし愛車のドア内部のクリアランスを事前に確認しスムーズに付けられることが分かれば、ミドルスピーカー選びにおいての有力な候補の1つに成り得る。コスパの高い中級スピーカーを探しているのなら、当シリーズの各機のチェックはマストだ。

今回は以上だ。次回以降もさまざまなブランドの名機の紹介を続けていく。お楽しみに。


《太田祥三》

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