鈴木直道北海道知事は7月21日に開かれた定例会見で、段階的廃止の報道が出ている留萌本線について記者の質問に答えた。
留萌本線は深川駅(深川市)と留萌駅(留萌市)を結ぶ50.1kmの路線で、沿線は深川市、秩父別(ちっぷべつ)町、沼田町、留萌市に跨っている。

JR北海道が2021年6月に公表した2020年度の線区別収支によると、同線の輸送密度は90人/日、100円を稼ぐために要する費用を示す営業係数は2372(管理費を含まない場合は2048)で、輸送密度200人未満を示すいわゆる「赤・茶線区」では根室本線富良野~新得間に次ぐワースト2となっている。
沿線4市町のうち沼田町はかねてから存続を要望していたが、JR北海道は7月21日に石狩沼田~留萌間の廃止を2023年3月末、深川~石狩沼田間の廃止を2026年3月末とする提案を行なった。

この段階的廃止は、深川~石狩沼田間で通学の利用が多く、2023年4月に入学する高校生が卒業するまでの期間を考慮した結果のようで、鈴木知事は「引き続き、それぞれの沿線の自治体の皆さまと丁寧に協議していくことが、何よりも重要だと考えておりますので、そのように取り組んでいきたいと考えています」と静観の構えを見せ、北海道新幹線の並行在来線問題と同様、踏み込んだ姿勢を明らかにしていない。
