GR86/BRZ Cupプロフェッショナルクラスで唯一のBRZ、レカロレーシングの戦い

トヨタGAZOOレーシング GR86/BRZ Cup参戦のレカロレーシング
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新型トヨタ『GR 86』/スバル『BRZ』で競われるトヨタGAZOOレーシング GR86/BRZ Cup。参加台数を見ると圧倒的にGR 86が多い。プロフェッショナルクラスで唯一BRZで参戦するレカロレーシングの挑戦に迫る。

2015年から始まったトヨタGAZOOレーシング 86/BRZ Cup。9年の歳月を経た2022年、ベースモデルの変更に伴いトヨタGAZOOレーシング GR86/BRZ Cupと名称が変更され、参戦車両は新型GR86とスバルBRZによって争われるワンメイク(兄弟車)レースだ。

当初より86の方が参戦台数は圧倒的に多くBRZは少数派だ。今回新型へモデルチェンジして開幕戦を迎えた富士スピードウェイには、クラブマンクラスに50台、プロフェッショナルクラスに39台のエントリーがあり、そのうちBRZを使用しているのはクラブマンで5チーム5台、プロフェッショナルクラスは1チーム4台となる。

プロフェッショナルクラスでBRZを使う唯一のチームがレカロレーシングだ。ドライバーはスバルのレース活動の顔とも言える井口卓人選手、そして佐々木孝太選手。群馬県出身で昨年から参戦を開始した小暮卓史選手、そして今までもBRZで参戦しており、今シーズンからチームに加盟した久保凛太郎選手の4名が乗る。

車両メンテナンスは今シーズンから全ての車両を、群馬県のスバルディーラーである富士スバルが担当することとなった。各車両にはプロのレーシングメカニックが専属で配置されドライバーとセッティングなどの細かい話しを進め、そのプロメカニックの指示に従って富士スバルのディーラーメカニックが作業を主に行う。さらにサーキットの現場においては全国のスバルディーラーから選抜されたメカニックがサポートを行うという体制になっている。

6月末にシェイクダウンを行い7月に開幕戦を迎えた。練習走行は雨、予選は小雨、決勝は晴れという天候の変化が大きく、セッティングもままならない中での走行となった。

レカロレーシングは4台走らせる中で、佐々木・小暮選手はダンロップ、井口・久保選手はブリヂストンとタイヤ銘柄が異なる。サスペンションなどは共通しているがタイヤの特性やドライバーの走らせ方により少しづつセッティングは違う。

昨年までのセオリーならば雨が降ればブリヂストンが速く、晴れていればダンロップが速いという図式があったが、今回の予選では雨の中ダンロップ勢が上位を占める結果になった。レカロレーシングではダンロップタイヤを装着する小暮選手が8番手、佐々木選手が9番手となる。一方のブリヂストンタイヤを装着する井口選手が21番手、久保選手が26番手となった。

迎えた決勝は蒸し暑く真夏の日差しが照りつけるなか行われ、10周の激しいレースのなかで佐々木選手が5位、久保選手が順位を大きくあげて15位、小暮選手が17位、井口選手が22位となった。

佐々木選手は「データの少ない中で最善の車を作ってくれたのでなんとか堪えることができた。まわりもまだ煮詰めきれていないこともあったのでなんとかなったと思う。短い準備期間で長年のレースの勘でここに来られたかな。ダンロップタイヤ勢の中でも離されてしまっているので、もっとやることはあると思う」と語る。

同じダンロップタイヤを使う小暮選手は「ちょっと厳しい戦いになってしまった。車のバランスを取りきれなかったかな。悪い方向に行ってしまうとなかなか挽回できなかった」とセッティングの難しさに苦労していた。

順位をあげた久保選手は「今日は自力でというより展開がうまくいって、周りとの位置関係がうまくいって順位をあげられたかな。車のバランスやタイヤの内圧なども今後もっと見つけていきたい」と語る。

井口選手は「今回はあまり良いことがなかったですね。スタートからちょっとスピード感がなくて、抜かれる感じになってしまいました。ポジションも中段で揉まれてしまったところもあるかな。でもレカロレーシングとしては佐々木選手が上位に入ってくれたし、BRZだって戦えるというのを少しでも証明していきたいと思っているので次回に繋げていければ良いと思います」と次戦に向けて目線を送る。

メンテナンスを行った富士スバルのメカニックや、ディーラーから選抜されたメカニックも、普段の仕事とは全然違う環境で、緊迫感のある世界でメンテナンスを行う難しさや大変さがあったという。

GR86は全国にGRガレージというスポーツに長けたディーラーを展開していることもあり、多くのディーラーチームが参戦しているが、スバルに関してはディーラー単位で参戦しているのは、クラブマンでの埼玉スバルと東海地区スバルグループのみでプロクラスにはいない。今回プロクラスで富士スバルがメンテナンスを行うことで、ディーラーチームの目標になるかもしれない。

多くのスバルファンの期待を背負うレカロレーシングの戦いに注目していきたい。


《雪岡直樹》

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