JR北海道の社長が8年ぶりに交替へ…JR東日本からの会長職招聘はなし

2016年12月に廃止された留萌本線増毛駅で会見を受ける島田修社長。在職約8年で6線区の廃止に踏み切り、北海道新幹線開業、運賃値上げ、大雪対策などにも尽力した。
  • 2016年12月に廃止された留萌本線増毛駅で会見を受ける島田修社長。在職約8年で6線区の廃止に踏み切り、北海道新幹線開業、運賃値上げ、大雪対策などにも尽力した。

斉藤鉄夫国土交通大臣は5月20日に開かれた定例会見で、JR北海道のトップ人事について記者の質問に答えた。

5月20日の閣議では、JR北海道の島田修社長(64歳)を代表権を持つ会長、綿貫泰之副社長(60歳)を社長とする人事案が決定。正式には6月に開かれる株主総会で就任が決定されるが、斉藤大臣は島田氏の会長昇格について「鉄道事業における豊富な経験を持ち、その卓越した手腕と識見はJR北海道グループの経営基盤強化を推進するために極めて有用であることから、同氏が代表取締役会長に最も適任である」と述べた。

島田氏は1980年に国鉄に入社。2014年にグループのJR北海道ホテルズからJR北海道社長に就任した。社長在職中は、2016年に北海道新幹線新青森~新函館北斗間の開業を迎える一方、株主である国からは経営改善のための監督命令を受け、2014年から2021年にかけて江差線木古内~江差間、同五稜郭~木古内間(道南いさりび鉄道に転換)、留萌本線留萌~増毛間、石勝線夕張支線新夕張~夕張間、札沼線(学園都市線)北海道医療大学~新十津川間、日高本線鵡川~様似間の廃止を実現。2019年にはJR北海道としては消費税転嫁を除いて13年ぶりの運賃値上げにも踏み切った。

綿貫氏の社長昇格については「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、引き続き大変厳しい経営状況が続くと想定される中、これまで様々な分野において経営基盤強化を図ってきた同氏の経験や知識が同社の鉄道事業の再生等に必要不可欠である」と述べた。

綿貫氏は1985年に国鉄に入社。JR北海道では取締役や常務取締役を経て、2020年6月に副社長に就任。札幌駅周辺開発などの関連事業に尽力してきた。

なお、会長職については、JR東日本から3代続けて招聘していたものの、今回は社内での昇格人事になったことについて斉藤大臣は「今後の北海道新幹線建設も含め適任であると判断されたものであると思っています」と述べるに留めている。


《佐藤正樹》

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