京急が運賃値上げを検討…3年ぶりの200億円超設備投資を視野に

今後も増備が進められる新1000形。車体更新や機器更新も予定されている。
  • 今後も増備が進められる新1000形。車体更新や機器更新も予定されている。
  • 新1000形への置換えが進められる界磁チョッパ車の1500形。
  • 2030年代中頃までには全駅でホームドアやホーム固定柵の整備が進められる予定。写真は本線追浜(おっぱま)駅のホームドア。
  • 2018~2021年度の旅客運輸収入と2017~2022年度の設備投資額の推移。

京浜急行電鉄(京急)は5月11日に発表した2022年度の鉄道事業設備投資計画で運賃改定を検討していることを明らかにした。

京急ではコロナ禍の影響により旅客運輸収入が減少し、2020年度は2019年度の4割減に。2021年度はやや持ち直したが、それでも2019年度の3割減となっており、回復基調に乗り切れていない。

これにつれて設備投資額も2020・2021年度は200億円台を大きく下回り、150億円台で推移していたが、2022年度は3年ぶりに200億円超を投入し、ホームドアの整備や本線品川駅付近、大師線の連続立体交差事業などを進めるとしている。

2018~2021年度の旅客運輸収入と2017~2022年度の設備投資額の推移。2018~2021年度の旅客運輸収入と2017~2022年度の設備投資額の推移。

車両面でも界磁チョッパ車の1500形などをVVVFインバータ制御車の新1000形に置き換え、界磁チョッパ車比で約37%の省エネを実現。鉄道事業における最優先事項とされている踏切の安全対策や監視カメラの設置、自然災害対策も進めるとしている。

新1000形への置換えが進められる界磁チョッパ車の1500形。新1000形への置換えが進められる界磁チョッパ車の1500形。

運賃改定は、今後、コロナ禍前の収入を見込めないことを前提にしているが、京急では徹底したコスト削減と営業努力を行なった上で、増収分を設備投資に投入する構えだ。

2030年代中頃までには全駅でホームドアやホーム固定柵の整備が進められる予定。写真は本線追浜(おっぱま)駅のホームドア。2030年代中頃までには全駅でホームドアやホーム固定柵の整備が進められる予定。写真は本線追浜(おっぱま)駅のホームドア。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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