唯一現存の開放式A寝台車を補修へ…特急『日本海』などで活躍 岩手県の宿泊施設

ふらあいらんど岩泉で宿泊施設に使われている3両の24系客車。
  • ふらあいらんど岩泉で宿泊施設に使われている3両の24系客車。
  • 最も痛みが進んでいるオロネ24 5。
  • オロネ24 5の車内。最後まで残っていた開放式A寝台車だった。宿泊は2人まで。
  • B寝台車の車内。宿泊は1両あたり4人まで。
  • 『日本海』などでお馴染みだったが、現在はテールマークが『出雲』に。
  • 『日本海』で使われていた頃のオロネ24 5。2010年10月17日、奥羽本線青森駅。

2012年3月に廃止された大阪~青森間の寝台特急『日本海』などで使用していた24系寝台客車3両を活用した宿泊施設を運営している「ふれあいらんど岩泉」(岩手県岩泉町)が車体の補修を計画している。

この3両はJR東日本青森車両センター(現・盛岡車両センター青森派出所)から搬入されたオロネ24 5(A寝台)、 オハネ25 151(B寝台)、オハネフ25 121(B寝台)で、オロネ24 5はJRで最後まで残っていた「プルマン式」と呼ばれる2段寝台が並ぶ開放式A寝台車だった。

宿泊施設として利用が開始されたのは2014年7月のことだったが、屋根がないことから年々、車体の色褪せや腐食が進んでおり、応急的な塗装工事が行なわれているものの、予算的な問題で全面的な補修に着手できない状態となっている。

そこで今回、インターネット募金(クラウドファンディング)により資金を募ることになり、クラウドファンディングサイトの「READYFOR」で3月31日まで支援を受け付けている。

目標金額は123万円で、3月中に塗装工事を行ない、4月1日にリニューアルオープンさせたいとしている。

ちなみに24系を利用した宿泊施設はほかに秋田県の小坂レールパークがあり、2022年のゴールデンウィークからは北海道北斗市で保存されている元『北斗星』用のスハネ25 501(B個室ソロとラウンジの合造)、オハネフ25 2(B寝台)が宿泊施設としてオープンする運びとなっている。

また、肥薩おれんじ鉄道阿久根駅(鹿児島県阿久根市)でツーリング向け施設として使われていた、元『なは』用のオハネフ25 2209(B個室デュエット)とオハネフ25 206(B寝台)が香川県観音寺市へ移設されており、同時期に「四国遍路の駅 オハネフの宿なは・瀬戸」としてオープンする予定となっている。

最も痛みが進んでいるオロネ24 5。最も痛みが進んでいるオロネ24 5。
《佐藤正樹》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集