東京オートサロン2022でみつけた興味深い展示が、ボンネットやテールゲートへ簡単に取り付けられるLED照明だった。ブランド名は『ミルウォーキーツール』。店頭では見かけない銘柄だが、名前からしておそらくアメリカ製だろう。アグレッシブなロゴや赤と黒の商品カラーリングも、赤で統一されたブースも、やはりアメリカンなニオイがする。
マーケティングディレクターの渡邉和典氏に話をうかがうと、創業は1924年という老舗メーカーだとのこと。その源流はさらに遡れて、社史をたどると、前身は第一次大戦末期ごろに、ヘンリー・フォードから小型電動ドリルの開発・製造依頼を受けたこともある工場だったという。
ところが、日本への本格導入がスタートしたのは2021年4月。しかも、直接販売が中心で、ホームセンターなどへはほぼ卸していないとのこと。工具売り場を眺めるのが好きな筆者も馴染みがなかったのだが、それも納得だ。
とはいえ、そのロゴに見覚えがあった気がしたので尋ねると、モータースポーツの現場では普及しているらしい。アメリカのみならず欧州でも使用しているチームは多く、日本では、SUPER GTに参戦するBMWチーム・スタディが導入。エアツールが使いにくい場所でセンターロックホイールを外す際に、コードレスで作業できる利便性と十分なパワーがあることが評価されたようだ。
ブースには、取り扱う工具が数多く展示されていたが、個人的に購入したいと思えたのがサンダーポリッシャーだ。無段変速トリガーは回転数調整が非常に簡単で、出力の2段切り替えにより削りにも磨きにも使える。2種類のスポンジとバフ、ポリッシュとサンディングのパッドが付属し、工具なしで交換できるのも便利。さらにサイズや重量はもちろん、価格も自家用としてじつに手頃だ。サビ落としからワックス/コーティングまで、手軽に使えて作業効率もアップするだろう。
自動車用専業ではなく、建設工具なども製造しているミルウォーキーツール。インパクトレンチなどは、締め込み重視の建築用途と緩め重視の自動車用途とで異なる要求に配慮して設計するなど、ニーズに寄り添った製品を揃える。また、バッテリー容量のバリエーションの多さも長所だ。そして、なによりルックスがいい。オンライン販売サイトがあるので、電動工具の購入を検討しているなら検討してみてはいかがだろうか。