山形新幹線を全車指定席化へ…ミニ新幹線の特急料金改定も 2022年春

2022年春に全車指定席化される山形新幹線『つばさ』。在来線区間の福島~新庄間は特定特急券で普通車指定席を空席利用できる。
  • 2022年春に全車指定席化される山形新幹線『つばさ』。在来線区間の福島~新庄間は特定特急券で普通車指定席を空席利用できる。
  • 秋田新幹線『こまち』。在来線区間の盛岡~秋田間では普通車利用で100円の値下げとなる。
  • ミニ新幹線の新たな特急料金体系。現行の指定席利用と比較した場合、改定後はおおむね値下げとなる。
  • ミニ新幹線における主要区間の改定後料金。自由席利用と比較すると最大で810円の値上げとなる。
  • 新特急料金が適用された後の「つばさ定期券」。最大で5万円以上の値下げとなる。

JR東日本仙台支社と同山形支社は11月16日、東京~福島~新庄間で運行している山形新幹線を2022年春に全車指定席化すると発表した。

山形新幹線は東京~福島間をフル規格新幹線の東北新幹線を、福島~新庄間をフル規格と同じ1435mm軌間(標準軌)の在来線を走行することから「新在直通新幹線」または「ミニ新幹線」と呼ばれており、1992年7月には山形まで、1999年12月には新庄まで開業した。また同様の新幹線として1997年3月には東京~盛岡~秋田間の秋田新幹線が開業している。

秋田新幹線は全車指定席の東北新幹線『はやて』と併結運行することから、2002年12月に全車指定席化されたが、東北新幹線『やまびこ』などとの併結や単独運行がある山形新幹線は普通車自由席が残されていた。

しかし山形新幹線では近年、最繁忙期を中心に混雑が激しく、「自由席に座るために長時間並ぶ不便さ」「始発駅に近い方が座れるという不公平感」「当日まで席の確保が不確実」といった問題があった。そこで6月に指定席予約サービス「えきねっと」が拡充されたことを契機に、秋田新幹線同様、全車指定席化に踏み切ることになった。これに伴ない普通車自由席を利用する「タッチでGo!新幹線」は、新在直通利用ができなくなる。

一方、全車指定席化と同時にミニ新幹線の特急料金や座席指定料金相当額の改定も実施されることになった。

現在、ミニ新幹線では新幹線区間と在来線区間を直通利用する場合、特急料金部分は新幹線特急料金と在来線用A特急料金の約3割引相当を合算しているが、改定後は在来線分の料金に「新特急料金」を適用する。座席指定料金相当額については新幹線区間(530円)と在来線区間(380円)の合算を撤廃し、直通、在来線単独問わず、一律新幹線区間の料金適用に改める。

これにより改定後の料金は、現行指定席との比較で、直通利用は100~150円の値下げ、在来線単独利用は最大280円の値下げとなる。しかし自由席との比較では、直通利用は760~810円の値上げ、座席指定料金相当額を計算に入れないグリーン車利用が230~280円の値上げとなる。

なお、山形新幹線の在来線区間については、秋田新幹線と同様に特定特急料金(通常期の指定席特急料金から530円引き)で普通車指定席の空席を利用できる。

このほか、山形新幹線では在来線区間を利用できる「つばさ定期券」が普通車指定席の空席利用を条件に継続発売され、新特急料金適用により値下げとなるが、山形発7時1分発新庄行き『つばさ171号』の普通車自由席を利用できる「つばさモーニング特急券」は全車指定席化により廃止される。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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