高速大容量無線で映像をやりとり…阪神が「ミリ波」の伝送試験 11月上旬から

鉄道のセキュリティ向上などが期待されているミリ波による伝送システム。試験には試運転列車が仕立てられる。写真は甲子園駅。
  • 鉄道のセキュリティ向上などが期待されているミリ波による伝送システム。試験には試運転列車が仕立てられる。写真は甲子園駅。
  • ミリ波による伝送試験の概要。仮設カメラで映した映像を無線機を通して車両へ伝送する。

阪神電気鉄道(阪神)は11月1日、鉄道の支援システムを開発しているアイテック阪急阪神とともに、鉄道車両と地上間でのミリ波無線を使用した伝送試験を11月上旬から開始すると発表した。

ミリ波とは、高速大容量の通信が可能で、一般的な用途ではあまり使われていない30~300GHz周波数帯の電波のことで、第5世代移動通信システム(5G)での利用が期待されているが、鉄道ではホームでの安全確認やメンテナンス、車内セキュリティ強化に活用できる可能性があるとされている。

そこで今回の試験では、免許が不要な60GHz帯のミリ波無線機を車両と駅ホームの双方に取り付け、駅ホーム端に仮設したカメラから無線を通して送られた映像を車両内に取り込み、画質や伝送速度、曲線区間での伝送範囲などについての基礎的な検証を行なう。

実施は阪神線内のみだが、将来的には他社線内でも利用可能なシステムも視野に入れており、阪神では「ミリ波を活用したシステムの実用化に向け段階的に検証を進め、既存システムとの連携、車両間での検証拡大など検討してまいります」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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