パナソニック専務、「これからの家電には一人ひとりのライフスタイルを後押しする役割が求められる」

パナソニックは9月21日、家電事業の新製品と新サービスの発表会を行った。そこで打ち出されたのは、IoT技術の開発に力を入れ、家電製品の中でIoT家電の比率を現状の2倍となる60%、1000万人の利用者にまで高めるということだ。

「新型コロナウイルスの感染拡大によって、ビジネススタイルも人々のくらしも大きく変わった。新しい生活様式の中で、くらしの中心となる『家』は、プライベートな生活空間から、仕事、学び、趣味など、あらゆる活動の中心へと役割を変えた。これからの家電には、一人ひとりが実現したいライフスタイルを後押しする役割が求められている」と品田正弘専務執行役員(アプライアンス社社長)は説明する。

そのカギを握るのがIoT家電というわけだ。例えば、11月中旬に発売予定のエアコン「エオリアLXシリーズ」では、ユーザーの状況に合わせて製品を運転する「シーン推定自動運転機能」を新たに搭載した。ユーザーがスマートフォンに「エオリア アプリ」をダウンロードすると、GPSでユーザーの位置情報を把握し、帰宅前に室内を適度な状態に整えることができるなど、それぞれのシーンに合わせた最適な運転を自動で行う。

また、新サービスとしてIoT家電を利用した「音声プッシュ通知」を10月から開始する。これはクラウドを介して各IoT対応家電をお互いに連携させ、洗濯の終了やエアコンが設定されている部屋の温度上昇など気がつきにくいことをタイムリーに家電が音声で知らせるというものだ。そのほか、「ゴミの日」や「薬の時間」といったことも登録が可能で、うっかり忘れがちなことを音声で知らせる。さらに、くらしに役立つ他社のシービスとも連携させ、天気予報や宅配便の配送予定などのお知らせも展開していくそうだ。

しかし、IoT家電はインターネットにつながってこそ価値が提供できるわけだが、実際には設定の煩わしさからつなぐことをしないユーザーが少なくないという。そこでパナソニックでは、21年6月からQRコードをスキャンするだけで、商品情報の読み取りやイン他ネット接続を補助できるようにした。

「新しいIoT家電の圧倒的な簡単接続と簡単操作によって、デジタルとの距離を感じる方々も取り残すことはしない。家電自らがお客さまの好みの生活パターンに寄り添い、デジタル技術の恩恵を感じてもらいたい」と品田専務は話す。

そのほか、家電を購入した後のサービスに力を入れる。例えば、IoT家電を通して使いこなし方や手入れ方法などのメンテナンス情報を提供し、1台1台に最適なサポートを行える有料サービス「パナソニック ケア」を開始する。

パナソニック ケアでは、IoT家電の使用状況に応じて手入れのタイミングを通知し、備品や消耗品を届けるプランと、さらに修理保証がついてプランを設定。エアコンではお知らせプランが7000円、メンテナンスプランが1万円となっている。

パナソニックは、2018年に「くらしアップデート業」を宣言したが、社内外から「何をしようとしているのか分からない」といった意見も少なくなかったが、ようやくその姿が見えてきたようだ。

《山田清志》

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