保線機械が下り勾配で線路逸走…函館本線で約7km ブレーキの不具合か?

逸走した軌道モーターカー
  • 逸走した軌道モーターカー
  • 砕石散布用保線作業用機械
  • 新函館北斗駅に進入する函館本線の下り普通列車。同駅を含む七飯~大沼間は優等列車では上り線として機能していたが、北海道新幹線開業後は上下とも通過するようになった。逸走した車両はブレーキが効かずに同駅を通過していった。
  • 逸走した区間。右側の線路は藤城線。

JR北海道は6月8日、函館本線で保線作業用機械が逸走するトラブルがあったことを明らかにした。

同社の発表によると、6月7日23時50分頃、軌道モーターカー1両と「砕石」と呼ばれる軌道の砂利を散布する保線作業用機械2両が、七飯(ななえ)~大沼間のうち、仁山(にやま)駅手前(大沼方)から七飯駅手前(新函館北斗方)までの約7km、ブレーキが機能しない状態で社員が乗車したまま逸走し、仁山駅(北海道七飯町)と新函館北斗駅(北海道北斗市)を通過。仁山駅構内には仁山道路、新函館北斗~仁山間には天野道路という2カ所の踏切があったが、怪我人や通行車両との接触はなかったという。

JR北海道では「原因は調査中ですが、砕石散布用の保線作業用機械のブレーキの不具合によるものと推定されます」としており、陳謝している。

トラブルがあった区間は、新函館北斗~仁山間が1000分の20(20‰)の勾配区間となっており、逸走した七飯方向へは下り勾配となる。

なおトラブルのあった区間を含む七飯~大沼間ではこの勾配を緩和するため、1966年に東側に「藤城線」と呼ばれる1000分の10(10‰)勾配の下り線を新設(列車に対しては上り勾配)。かつて函館発の下り特急列車は藤城線を経由していたが、2016年3月に北海道新幹線が開業し、渡島大野駅が新幹線併設の新函館北斗駅となってからは上下とも同駅を経由するようになった。藤城線を通過する旅客列車は2021年3月改正時点で3本の普通列車のみとなっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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