東京地下鉄(東京メトロ)は3月1日、デプスカメラと人工知能(AI)を活用した列車混雑計測システムを本格運用すると発表した。
デプスカメラとは、従来のカメラのような平面的な情報のみならず、奥行の情報も取得できる3Dカメラのことで、インテル社が開発した「D455」などの製品が市販されている。
従来、列車の混雑状況を計測するデータとしては、車両搭載荷重や改札の利用者数が用いられてきたが、東京メトロの場合は、相互直通運行を行なっている他社線の車両も多くあることから、車両搭載荷重を基にしたリアルタイム計測には限界があった。
そこで、2019年9月からは東西線東陽町駅(東京都江東区)、2020年11月からは丸ノ内線新宿駅(東京都新宿区)で、駅発車時の列車側面をデプスカメラで撮影し、それを基にしたデータを機械学習したAIに分析・解析させることで、混雑状況をリアルタイムに計測する実証実験が行なわれてきた。
東京メトロでは「この度、その技術検証が完了した」として、全線の複数駅に計測態勢を整え、運用を順次開始。2021年度中には全線のリアルタイムな列車混雑状況を提供したいとしている。