三菱自 池谷CFO「構造改革は想定以上に速く深く進捗」…通期業績を赤字圧縮へ上方修正

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  • 三菱自動車 池谷光司 代表執行役CFO(参考画像)

三菱自動車工業は2月2日、2021年3月期の第3四半期(4~12月期)連結決算をオンラインで発表した。新型コロナウイルスの影響などで内外の販売が振るわず、営業損益は867億円の赤字(前年同期は36億円の黒字)となった。

一方で構造改革の進展から通期の損益予想を上方修正した。第3四半期累計のグローバル販売は、前年同期比35%減の56万9000台にとどまった。主力のASEAN地域が43%減の13万2000台となったほか、日本が37%減、欧州が31%減となるなど全地域でマイナスになった。

販売減による営業損益段階での減益影響は1209億円にのぼった。反面、人件費やマーケティング費の抑制など構造改革活動による増益効果は255億円、研究開発費の効率化による増益効果は196億円を確保した。為替レートは1ドル106円で前期比3円の円高となったものの、主要通貨のタイバーツがプラスに作用したこともあり、為替全体の増減益影響はイーブンだった。

純損益は、構造改革に伴う特別損失の計上などにより2440億円の欠損となった。売上高は43%減の9528億円と大幅な減収だった。21年3月期通期の業績予想は、グローバル販売を前期比29%減の80万2000台と、従来比で2万2000台下方修正した。しかし、営業利益は400億円上方修正の1000億円の赤字、純損益も300億円上方修正の3300億円の赤字に見直した。

会見した池谷光司代表執行役CFOは通期業績について「構造改革は想定以上の速さと深さで進んでおり、予想を上方修正することができた」と、説明した。今年度からスタートした3か年の中期経営計画では、当初の2年で固定費を20%以上削減するなどの構造改革を進め、21年度には黒字転換させる方針だ。

池谷CFOは、「第3四半期は販売が想定を下回ったものの損益は改善し、構造改革に大きな手応えを感じている。通期見通しを達成すべく社員一丸で取り組み、21年度の黒字化を一層確実なものとしていきたい」と強調した。

《池原照雄》

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