村田製作所、自動車向けなどの需要急回復で通期見通しを上方修正

村田製作所、自動車向けなどの需要急回復で通期見通しを上方修正
  • 村田製作所、自動車向けなどの需要急回復で通期見通しを上方修正
  • 村田製作所、自動車向けなどの需要急回復で通期見通しを上方修正
  • 村田製作所、自動車向けなどの需要急回復で通期見通しを上方修正
  • 村田製作所、自動車向けなどの需要急回復で通期見通しを上方修正
  • 村田製作所の村田恒夫会長

村田製作所が10月30日に発表した2020年度第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比1.2%減の7520億円、営業利益が同8.3%増の1315億円、当期純利益が同10.1%増の998億円だった。

オンライン会見に臨んだ村田恒夫会長は「リモートワークやオンライン教育向けにPCの需要が好調に推移したほか、基地局向けの需要も堅調に推移したが、自動車市場の不振により前年同期比で減収となった」と4~9月期を振り返ったが、笑顔を見せながらこう付け加えた。

「4月に発表した上期の業績予想と比較すると、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響からの部品需要の回復が当初の想定より早まったことで、売上高はプラス10.4%、営業利益はプラス35.6%と大幅に上振れる着地となった」

利益については、製品価格の値下がり(マイナス350億円)や為替変動の影響(マイナス40億円)などの減益要因があったものの、生産高増加に伴う操業度益(プラス280億円)や前期に計上した減損損失の反動による固定費の減少(プラス170億円)などの増益要因によって、営業利益、純利益とも増益となった。営業利益率も1.5ポイント上昇し、17.5%になった。

「通期業績見通しについては、顧客による旺盛な部品取り込みを背景としたスマートフォン向けの需要増加、リモートワークやオンライン教育を背景としたPC関連需要の拡大、各国政府の景気刺激策による自動車向けの増加により、売上高、営業利益とも当初の想定を上回る見込みだ」と村田会長。

部品の需要予測も、スマートフォン向けが当初の10%減から7%減の12.8億台、自動車向けが20%減から15%減の7100万台へ、そしてPC向けが横ばいから3%増の4.1億台へと見直した。コロナ影響からの回復が急速に進んでいるとのことで、当初コロナ影響をマイナス1700億円と見込んでいたが、大幅に減る見通しだという。

その結果、2021年3月期の業績見通しを、売上高が4月30日公表時より600億円増の1兆4900億円(前期比2.9%減)、営業利益が400億円増の2500億円(同1.3%減)、当期純利益が390億円増の1890億円(同3.3%増)へとそれぞれ上方修正した。

株価も好調で10月下旬には7500円と、株式分割後で約20年ぶりの高値をつけ、時価総額も一時5兆円の大台を突破した。コロナ禍でも村田製作所は強さを発揮しているようだ。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集