新型コロナ関連の経営破綻、3か月で150件に到達…GW明けも増勢続く

都道府県別破綻状況
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東京商工リサーチによると、5月15日正午までに、「新型コロナ」関連の経営破たんが全国で150件(倒産100件、弁護士一任・事業停止50件)に達した。

新型コロナ関連では、2月21日に事業を停止した旅館経営の冨士見荘(愛知県)が初の経営破綻。2月2件、3月23件だったが、4月は84件に急増。5月も大型連休を挟んで増勢が続き、15日正午までに41件が発生。100件ペースをたどっている。

都道府県別では、岩手県で初めて倒産が発生し、40都道府県に広がった。件数は、東京都が32件(倒産28件、準備中4件)で最多。以下、北海道(同13件、同ゼロ)と大阪府(同6件、同7件)が各13件、静岡県8件、兵庫県7件、新潟県と福岡県が各6件と続く。

業種別では、インバウンド消失や国内旅行、出張の自粛でキャンセルが相次いだ宿泊業が30件(同19件、同11件)で最も多かった。次いで、緊急事態宣言で来店客の減少や臨時休業が響いた飲食業が22件(同13件、同9件)、アパレル関連が20件(同11件、同9件)と、上位に並んだ。このほか、臨時休校を余儀なくされた音楽教室、小・中学校の臨時休校や法人の臨時休業などの煽りを受けた給食食材業者、自動車メーカの操業休止で受注が減少した製造業、営業自粛の要請が影響したパチンコ店、資材調達に支障が生じた建設業など、幅広い業種に広がっている。

経営破たんに至った企業は、もともと人手不足や2019年10月の消費増税などで経営が悪化し、厳しい資金繰りが続いていた。そこに新型コロナの感染拡大が業績悪化に拍車を掛け、“最後の一押し"になって行き詰まったケースが多い。

経営破たんは、5月に入っても増勢をたどり、15日正午までに岩手県と静岡県、広島県で新たに合計3件が判明した。2月から5月15日正午までの累計は150件に達した。

負債の最大は、ホテル・リゾート運営受託のWBFホテル&リゾーツ(大阪府、負債160億円)。次いで、ゲーム機器販売のエターナルアミューズメント(東京都、同84億円)、雑貨販売のキャスキットソンジャパン(東京都、同65億円)の順。判明している負債10億円以上の倒産は21件で、新型コロナ経営破たんは中堅クラスまで広がっている。

《纐纈敏也@DAYS》

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