JR西日本は2月19日、国鉄時代末期から導入していた201系直流通勤型電車を2023年度までに淘汰することを明らかにした。
同車は国鉄時代の1979年8月に試作車が中央線快速にデビュー。空気中に電気による発熱を逃してしまう「抵抗制御」と呼ばれる旧来の制御方式では省エネ性能に難があることから、その点を克服した「電機子チョッパ制御」と呼ばれる方式を国鉄電車として初めて採用。同時に、ブレーキ時に発生するエネルギーを他の列車の加速に活用できる回生ブレーキの搭載により省エネ性が大幅にアップして、「省エネ電車」の異名を取った。
1981年7月からは量産車が登場し、中央線快速に残る101系や103系といった昭和30年代からの新性能電車を順次淘汰。翌1982年には、8月から中央・総武緩行線にも投入される一方、12月には関西地区にも投入され、東海道・山陽緩行線(現在のJR京都線、JR神戸線に相当)で運用に入った。これが現在のJR西日本エリアにおける最初の201系投入となり、当時の塗色はスカイブルーが施されていた。
201系は1987年4月にJR東日本とJR西日本へ承継されたが、JR東日本車は2011年6月、京葉線を最後に引退。残るはJR西日本車のみとなったが、2020年度から2023年度にかけて225系が東海道本線(JR京都線・JR神戸線)などへ総勢144両が投入されることになったため、既存の221系が関西本線(大和路線)やおおさか東線へ転出し、201系を置き換えることになった。
間接的に201系へ引導を渡すことになった225系は、2010年に登場したJR西日本の直流近郊型電車で、衝突安全対策や、自動列車停止装置(ATS)、パンタグラフなどの機器を二重系化。車両の挙動を監視する装置も搭載するなど、安全性が高められている。