都会のど真ん中で、自動運転バスに乗ってみました

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都会のど真ん中で、自動運転バスに乗ってみました
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池袋といえば、山手線の1日の乗車人員数で2位。そのような都市部での自動運転バスの導入可能性や課題などを検証するため、12月13・14日に実施されました。


発着点は池袋サンシャインシティバスターミナル。ここは大型の高速バスや都バスが行き来することもあって、自動運転バスeCOM10は一際小さく見えます。


このeCOMO10は低速電動コミュニティビークルとして開発され、最高時速19km。乗車定員は16名。DCブラシレスインホイールモーターによる全10輪駆動式。今回のように、自動運転システムの研究、実験の開発ベース車としてされることも多いモデルです。一充電の走行距離は約30kmと短めですが、バッテリーがカートリッジ式で手軽に脱着できるようになっています。


対面式のベンチシートで、乗車定員は16名。一充電での走行距離は身近いが、バッテリー交換が比較的容易にできます

今回は、運転席には大型バスからハイヤーまで経験済みの現役プロドライバーが乗ってのレベル2相当での走行。駐車車両が多いところなど一部区間のみ手動での走行となります。バスターミナルから出る際は手動運転。というのも、商業施設の中にバスターミナルは位置するため、GPSが受信できないからです。コクピットにはGPSの受信状況や、カメラが認識している信号の情報などを映し出すモニターが設置され、つねにドライバーが情報判断できる状態にあります。


バスターミナルを出て、GNSSを受信していることを示すグリーンのランプが点灯したら、自動運転スタート。直後の交差点では、信号と対向車をしっかり認識しています。これでもか、というほど安全確認したのちにゆっくりと左折。左折を繰り返してサンシャインシティを1周する1km強の距離がルート設定されているのですが、左車線に駐車車両がいると、その区間は手動運転に切り替えての走行になってしまいます。もうひとつの難関がビルの谷間。GNSSが受信できないことが多々あるのです。これは都市部ならではの現象でしょう。それでも、あらかじめ記憶された周辺の地図データとLiDARによってハンズオフ走行は継続。安定した走行を披露してくれました。


ドライバーの左前のモニターに、GPSの受信状況や信号の読み取り情報などが表示されます

今回、実験に協力した国立大学法人群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター・副センター長の小木津武樹氏は、「自動運転の技術を高めることは重要ですが、同時に社会的受容性を高めていくことも大切です。たとえば、自動運転バスの走行を妨げないよう路上駐車をやめるよう意識していただくだけでも、随分と走行しやすくなるのです。自動運転の実装に向けては、システムの開発に多額の費用をかけるだけではなく、走行しやすい環境づくりにも目を向けてほしいですね」と語っています。


現在は7台運行。2020年2月より10台で運行予定のIKEBUS

実はこの池袋では、11月27日からeCOMO10をベースにした「IKEBUS(イケバス)の運行をスタートさせています。池袋駅を中心とした東西を結ぶ2つのルートを設定しており、それぞれ公園や区役所、商業施設などの主要なスポットを巡ります。曜日を問わず20分間隔で毎日運行し、真っ赤なカラーリングが目立つこともあってか、IKEBUSの認知度は急上昇。やはり時速19kmで街中を走っているのですが、周囲のクルマもそれを受け入れているかのように共存している光景がありました。


今回の実証実験では、走行時の駐停車数や滞留車両数、追い越し車両数、走行区間における自動運転の割合い、原因別の手動介入頻度など、様々なデータ検証が行われます。こうした実証実験を重ねることで、都市部の移動手段として自動運転バス導入とともに、街づくりまでも変化する日が来るかもしれません。


(文=編集部)

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