高速道路での「レベル3」解禁前夜

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高速道路でのレベル3解禁前夜
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オーナーカーの高速道路におけるレベル3の自動運転が、2020年から2021年にかけていよいよ実用化されそうです。しかし、まだ自動で走るには制約条件があり、多くの人が期待する自動化はまだ先かもしれません。しかし、部分的であってもドライバーが運転に関与しないで、スマホなど、ほかのことができるレベル3が実用化されることは間違いないでしょう。


ここで重要なことは、自動運転の機能がどこまで可能なのか。制約条件とは具体的にどのようなモノなのかをメーカーはしっかりとユーザーに説明する必要があり、ユーザーも過信することは危険です。


ODDってなに? 渋滞の定義とは


専門家の間ではその制約条件をODD(Operational Design Domain)と呼び、和訳すると「運行設計領域」と書かれています。例えば、最初に日本で実用化するであろう、レベル3は高速道路限定の「トラフィックジャム(渋滞)」で利用可能といわれていますが、その渋滞とは具体的にどんな条件下なのでしょうか?


私たちの常識では、高速道路で遭遇する渋滞は速度が時速30km以下の速度で、周囲がクルマで混雑している状況です。その条件ではレベル3が使用できるわけですが、自然に渋滞がなくなり、速度が高まると、ある速度からレベル3の条件から外れるわけです。


その時、システムはある一定の時間をかけて(7~10秒くらいと考えられています)、ドライバーに運転を代わるように要請します。その要請に応じれば、システムはレベル3からレベル2に移行し、ドライバー責任の状態になります。このように場所や速度、あるいは気象条件などからODDで設定されるわけですが、その意味をユーザーはしっかりと理解することは大切なのです。



ここで課題となるのは、システムから要請されてもドライバーが応じないケースです。これには3つのケースが考えられます。


1)悪意をもって応じない


2)健康上の理由で応じることができない


3)他のことに夢中になって応じられない


まず、1)のケースが最悪です。2)のケースは緊急的な身体の疾患が起きたので、やむを得ません。3)のケースはうっかりミスかもしれません。


そこでいろいろなケースを想定して、レベル3以上のクルマにはドライバーをモニターするカメラなどのセンサーが必要になります。どんな理由であっても、システムが自動運転できなくなると、クルマは暴走することになります。そこで車輌運送法(保安基準)の改訂では、ミニマム・リスク・マヌーバー(最低限の安全措置)として、セーフティネットを用意しています。ドライバーが応じないときは、自動でクルマを停止する機能を持つことが義務化されます。きっと、詳細な地図があれば、路側帯まで誘導し、ゆっくりと停止するはずです。疾患のことも考えられるので、エマージェンシーコールで、緊急コールセンターに通報することも可能です。


現在、自動車メーカーと行政はレベル3から始まる自動運転を十分に安全に運行できるように、日夜熱い議論が交わされています。次回はレベル3を実現するために、どんな新技術が必要なのか、レポートしたいと思います。


高速道路でのレベル3解禁前夜

《清水和夫@SIP cafe》

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