メルセデスベンツ『EQC』、ブランド初のEV…CES 2020に出展へ

10.25インチの2つのディスプレイ

電動車向けの「MBUX」

0~100km/h加速5.1秒

回生ブレーキは4段階に調整可能

メルセデスベンツ EQC
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メルセデスベンツは12月16日、米国ラスベガスで2020年1月に開催されるCES 2020に、ブランド初の市販EVの『EQC』(Mercedes-Benz EQC)を出展すると発表した。

「EQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。EQブランドの最初の市販車として登場したEVが、SUVのEQCとなる。

EQCは電動SUVで、ボディサイズは、全長4761mm、全幅1884mm、全高1623mm、ホイールベース2873mmだ。マルチビームLEDヘッドライトが組み込まれたフロントマスクには、メルセデスベンツの新世代電動ブランドのアイデンティティを表現している。メルセデスベンツ EQCメルセデスベンツ EQC

10.25インチの2つのディスプレイ

EQCには、最新のデジタルコックピットを採用する。デジタルコックピットは、『Eクラスセダン』から導入が開始された装備だ。EQCには、2つの高精細ワイドディスプレイを設定する。この10.25インチの2つのディスプレイを一枚のガラスカバーで融合したコックピットディスプレイとした。

このディスプレイは、空中に浮かんでいるように見え、インテリアデザインの水平方向の流れを強調する中心要素になるものだ。インストゥルメントクラスターとなるこのコックピットディスプレイは、ドライバーの視野に直接入るさまざまな情報を表示する大型ディスプレイと、センターコンソール上方のセンターディスプレイで構成されている。

電動車向けの「MBUX」

EQCには、メルセデスベンツの新世代のインフォテインメントシステム「MBUX」を装備する。MBUXとは、メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンスの略だ。MBUXでは、AI(人工知能)を導入した音声認識アシスタントを採用する。ユーザーが「ハイ、メルセデス」と呼びかけるだけで、音声認識アシスタントが起動し、ユーザーの求めるさまざまなサービスを提供してくれる。

EQC向けのMBUXは専用設計となっており、航続、充電状況、エネルギーフローなどの各種情報を表示する。ナビゲーション、運転モード、充電、出発時間なども、MBUXによって制御や設定が行える。メルセデスベンツ EQCメルセデスベンツ EQC

0~100km/h加速5.1秒

EQCには、メルセデスベンツが新開発した電動パワートレインを採用する。モーターは前後に2個搭載し、4輪を駆動する4WDの「4MATIC」になる。2個のモーターは、合計で最大出力408hp、最大トルク77.5kgmを引き出す。前後アクスル間で走行状況に応じて、トルク配分を行う。動力性能は、0~100km/h加速を5.1秒で駆け抜ける。最高速はリミッターによって、180km/hに制限される。

バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は80kWhと大容量だ。重量は652kgで、車体中央の低い場所にレイアウトされる。1回の充電での航続は、欧州のNEDC(新欧州サイクル)計測モードで最大471kmだ。急速充電は、欧州や米国ではコンボ方式、日本や中国ではチャデモ方式に対応しており、バッテリーの80%の容量なら、充電はおよそ40分で完了する。メルセデスベンツ EQCメルセデスベンツ EQC

回生ブレーキは4段階に調整可能

EQCには、特性の異なるさまざまなドライブモードを採用する。「コンフォートモード」では、アクセルペダル特性は快適な運転スタイルを支援する。運転の仕方によっては、ダイナミックな特性に自動的に切り替わる。「エコモード」は、効率重視で電力消費率を抑えるモードだ。「スポーツモード」は、高いレスポンスによりスポーティな走行性能を追求する。「インディビジュアルモード」は、走行特性、サスペンション特性、ステアリング特性を個別にカスタマイズ設定できる。

バッテリーへのエネルギー回収量は、ステアリングホイール裏のパドルにより、4段階の調整が可能だ。パドルは左側が回生レベルの上昇、右側が低減のスイッチとなっており、コースティングから強度の回生ブレーキまで、4段階に切り替えられる。

メルセデスベンツはこのEQCをCES 2020に出展し、「EQC 400 4MATIC」グレードを会場に展示する予定だ。メルセデスベンツは、米国市場にEQCを2020年初頭、導入する計画で、そのタイミングで開催されるCES 2020において、来場者にアピールしていく。

《森脇稔》

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