近鉄でも営業列車で線路メンテナンス…走行中のレーザー照射で線路の歪みを測定

1編成中2両の床下に搭載される新型の軌道検測装置。レール左右の幅や高さの差、長さ方向の左右の歪みや高さの歪み、2点間の水準差を測定。待避線に入った場合や折返し線運転を行なった場合でも位置を自動的に検知し処理できるという。
  • 1編成中2両の床下に搭載される新型の軌道検測装置。レール左右の幅や高さの差、長さ方向の左右の歪みや高さの歪み、2点間の水準差を測定。待避線に入った場合や折返し線運転を行なった場合でも位置を自動的に検知し処理できるという。

近畿日本鉄道(近鉄)は6月21日、営業列車の車両に軌道検測装置を導入することを明らかにした。

近鉄では2007年3月、線路状態を測定する車両として2410系電車を改造した『はかるくん』という電気・軌道検測車を2編成導入しているが、今回導入される検測方式は専用車両によるものではなく、既存の営業用車両の床下に装置を取り付け、走行中にレールへレーザー照射を行なうことで、線路の歪みを測定するというもの。

検測データは無線によってリアルタイムに伝送できることから、無人での検測が可能。また、営業列車で検測することで高頻度の検測も可能になることから、近鉄では将来の労働人口を見据えた最新技術による効率化や生産性向上への取組みを図る上で「線路の状態把握をより高いレベルで行うとともに、タイムリーに線路の補修を行うことができるため、乗り心地の向上や、効果的なメンテナンスが期待できます」としている。

同様の検測方式は、JR東日本やJR東海では一部で取り入れられているが、私鉄では初めてとなる。

導入後は大阪線や名古屋線などで搭載編成が順次走行し、2020年度にはさらに1編成を増備する予定としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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