吉備線LRT化のメリットに理解を…大森岡山市長が岡山の公共交通ネットワーク整備に意欲

吉備線LRT化の早期実現に意欲を示している大森雅夫岡山市長。
  • 吉備線LRT化の早期実現に意欲を示している大森雅夫岡山市長。
  • 岡山市が明らかにしている「吉備線LRT化基本計画」に掲載されている吉備線周辺の公共交通状況。吉備線と並行するバス路線は多数あるものの、同線と接続するバスの便数が少ないという。

岡山市の大森雅夫市長は2月18日、「平成31年度当初予算案」についての記者会見で、「桃太郎線」ことJR吉備線の次世代型路面電車(Light Rail Transit、LRT)化を早期事業化を通して、岡山の公共交通ネットワーク整備に意欲を示した。

吉備線は岡山駅(岡山市北区)と総社駅(岡山県総社市)を結ぶ20.4kmの路線。JR西日本では吉備線の利便性向上を図るため、2003年に同線のLRT化が構想され、岡山市でも2014年度から検討会議が開かれてきたが、2018年4月にはJR西日本や総社市とともに事業開始に合意。1月には新駅の整備案も発表された。

国内のLRT化は、2006年に富山県のJR富山港線の大部分を承継した富山ライトレールに例があり、2022年には栃木県の宇都宮市と芳賀町の間を走る「宇都宮ライトレール」が開業する予定となっているが、吉備線のLRT化に際してはメリットに関する理解が乏しく、大森市長は「LRTとは何かというのがなかなかまだおわかりいただいていない場合もございますので、そういう理解をしていただくための動画を作成し、周知を図っていきたいと思います」と述べた。

会見では吉備線備前三門(びぜんみかど)駅(岡山市北区)周辺の併用軌道敷設位置や道路拡幅範囲を決定するための測量設計などを行なうとしており、合わせて、路面電車の岡山駅前広場乗入れにも言及。「軌道法の手続を進めるために必要な軌道の詳細な設計を行っていきます」と述べ、駅前広場を日本三名園のひとつである岡山後楽園に見立てたデザインとする考えも明らかにしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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