1月16日に開幕した「ロボデックス2019」にはアシストスーツを展示している企業が数社あった。その中の一社が大阪府河内長野市に本社を構える中小企業のダイドーで、同日アシストスーツ「TASK AR1.0」の販売を開始した。
同社は住宅内外装部材を製造する企業だが、付き合いのある住宅メーカーから上向き作業の負担を軽減できるものはないかという話が出てきた。そこで同社がいろいろ調べた結果、米国の企業が上向き作業を軽減できるアシストスーツをつくっていることが分かった。早速、ライセンスを得て日本で製造・販売する許可を得た。
「実はオリジナルのものと少し違うんです。日本人の体型に合うように改良し、主要部品にカーボンを使ってオリジナルよりも1kgほど軽くして約3.9kgになっています」と同社関係者は話し、あくまで上向き作業をアシストするためのもので、重いものを持つのをアシストするものではないと強調する。
その特徴は電力が不要ということ。そのため、バッテリーやコード類がない。腕を肘の高さまで上げると、自然と腕が頭上まで上がっていき、そこで固定されるのだ。同社関係者によると、ガススプリング方式を採用し、腕をある程度の高さまで上げると、ガスの反力が働いて腕の負荷を軽減でき、長時間の上向き作業が可能になるという。
価格は30万円で、同社関係者は「住宅建設現場以外でも、工場、農作業、点検、清掃など上向き作業は幅広くあります。今回の展示会を機に違う業種にもアプローチしていきたい」と話し、装着希望者が次から次へとやってくることに驚き、「休憩もとれない状況です」と嬉しい悲鳴を上げていた。