ディスプレイはデバイスからインターフェイスに…JDI 事業戦略発表会

伊藤CMO(右)
  • 伊藤CMO(右)
  • スマートバス停の展示モデル
  • XHD-02 KAIKEN装着ヘルメット
  • XHD-02 KAIKEN
  • XHD-02 KAIKENのコンセプトモデル
  • XHD-02 KAIKENのコンセプトモデル
  • XHD-02 KAIKENのコンセプトモデル
  • XHD-02 KAIKENのコンセプトモデル

ジャパンディスプレイは12月4日、都内で事業戦略発表会「JDI Future Trip - Creating Beyond - 」を開催。現在の取り組みを紹介したほか、BtoCプロダクトのプロトタイプ4種を初公開した。

ジャパンディスプレイ(JDI)の事業戦略発表会は、今年8月に続いて2回目となる。前回は「最終製品ビジネスへの参入」「定期課金ビジネスの導入」「テクノロジーを使って社会的問題を解決する」という3つの戦略を掲げていた。

今回は「これらを実現するためには、いままでとまったく違うアプローチをしなければいけない」ということで、オープンイノベーションの推進と、海外進出の促進をしてきたとJDI常務執行役員でチーフ・マーケティングオフィサー(CMO)の伊藤嘉明氏。

同社執行役員でディスプレイソリューションズカンパニーの湯田克久 社長は「テクノロジーを使って社会的問題を解決する」取り組みの一例として「スマートバス停用ディスプレイ」の提供を紹介。時刻表の表示切り替えが通信で可能なため、手作業で張り替える手間やコストを削減できるメリットがある。

このバス停は低消費電力反射型ディスプレイを使用し、太陽光発電パネルと二次電池を持つことで単独での動作が可能。運行情報だけでなく地域の情報や防災・減災情報なども表示できることで、地域の中心にもなる。すでに北九州市では試験運用が開始されていて、西鉄グループと安川情報システムによるスマートバス停の取り組みにも参画しているという。

また今後はデータ連携が競争力の核となるとし「ディスプレイからインターフェイスを目指す」とし、Arm Treasure Dataとの協業を発表。モビリティや医療、スポーツ、教育などの分野に活用できるセンサー事業を展開するとした。

常務執行役員の永岡一孝 チーフ・テクノロジーオフィサー(CTO)は、「液晶ディスプレイとセンサーデバイスの構造は似ている」と説明。大面積で指紋認証できる透明センサーを2019年に量産開始、曲げたり伸ばしたりでき身体に貼れるセンサーは2019年に発表予定という。

発表会では、4点のコンセプトモデルが初公開された。ヘルメットに着脱可能なヘッドアップ・ディスプレイユニット『XHD-02 KAIKEN』、透明ディスプレイで音楽を「見て楽しむ」ことができる『XLP-01 MiOn』、映像と香りで顧客体験を提供する『XAQ-01 AQUARIUS』と『XHL-Halley』は、いずれもコンシューマープロダクトとしての発売を目標としたものだ。

XHD-02 KAIKEN(カイケン)は、アクションカムのようにテープで貼り付ける方法を想定。これはヘルメットのサイズや形状に合わせて装着位置を調整できるようにするため。

また近未来的な造形を持つオンロード用とオフロード用のモックアップも展示され、ここでは投影位置やバッテリー搭載位置などを検討している。バッテリーはヘルメット後部に内蔵、ウェアのポケットや車体からケーブルで電力供給するなど、最適な方法を模索しているところだという。

XLP-01 MiOn(ミオン)は、筐体内部の光源によって五角形の床面が透けて見えることで、2D映像でも擬似的な立体感を得ることができ、臨場感のあるライブ映像が楽しめるというもの。コンテンツはウェブ配信する想定だという。

壁掛けディスプレイ『XHL-Halley』、そして鳴海陶器と共同開発した『XAQ-01 AQUARIUS』は、映像と香りを組み合わせることで空間デザイン、空間演出をするというもの。この「液晶ディスプレイ+香り」の領域では、デザイン分野で湘南工科大学と協業を開始しているという。

《古庄 速人》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集