【スーパーフォーミュラ 第6戦】雨中の岡山戦、関口雄飛が可夢偉との“激闘経由”でポール・トゥ・ウイン

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SF第6戦岡山、今季初優勝を飾った関口雄飛。
  • SF第6戦岡山、今季初優勝を飾った関口雄飛。
  • #19 関口が雨の岡山を制した。
  • 健闘を讃え合う関口と可夢偉
  • 決勝2位の#18 可夢偉。
  • 決勝3位の#20 平川。
  • 左から2位の可夢偉、優勝の関口、3位の平川(関口の後方に星野一義監督)。
  • レースは赤旗やSCランが相次ぐ展開に。
  • 決勝4位の#5 野尻。

9日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第6戦の決勝レースが雨の岡山国際サーキットで行なわれ、関口雄飛が“激闘経由”のポール・トゥ・ウインで今季初勝利を達成した。自身初のSF優勝を目指し関口と争った小林可夢偉は惜しくも2位。

岡山国際サーキットは決勝日も雨。しかも雨量は総じて、前日よりも多い。朝の段階で大会全体のタイムスケジュールやレース距離等の変更が発表され、SF第6戦決勝はレース距離が250kmから200km(54周、実質競技時間最大70分の制限付)へと短縮、決勝レース開始予定時刻も10分早まって13時55分となる。

その後も数回の時間変更を受けたのち、最終的には14時55分にセーフティカー(SC)先導で決勝レースが始まった。予選7位だった#17 塚越広大(REAL RACING/ホンダ)がエンジン交換によるペナルティで10グリッドダウン、予選8~17位のマシンがそれぞれ1ポジションずつ繰り上がるかたちで組まれた決勝グリッド順に各車レインタイヤ装着で発進、レース1周目に入っていく。ここで13番グリッド発進の#64 N.カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)が出遅れ、彼は隊列の最後尾へ。

レースは“始まった”ものの、SC撤収のタイミングは訪れないまま、7周終了を前に状況悪化で赤旗中断。約1時間後の16時10分にSC先導ランでレース再開となり、12周終了時、ついにSCがコースから退いて実質的な意味でレースが(依然、雨のなかで)スタートする。ここで魅せたのが、予選2位の#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)だった。#18 可夢偉はトップの#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)に挑みかかり、“実質1周目”の13周目のうちに攻略を果たす。

パッシングの前に追突するような格好での接触があり、#18 可夢偉のマシンはフロントノーズに損傷が発生、#19 関口もマシン後部(ディフューザーの周辺)に多少のダメージは受けていたようだが、両者はその後も、このレースのダブルキャストの主役を演じ続けた。

後方でアクシデントが勃発し、トップ2が23周目を走っている時にSCが入る。レース再開は26周終了時、#18 可夢偉はうまくリスタートした。だが、27周目のコース後半区間、ダブルヘアピンのひとつ目でコースオフを喫し、#19 関口に先頭を明け渡すことに。

トップに返り咲いた#19 関口はその座を守って走行、再び#18 可夢偉が迫るも、レース残り時間約6分となったところでまたも後方にアクシデントが発生、レースはSCランで決着を迎える流れとなり、#19 関口が激闘を経由してのポール・トゥ・ウインで今季初勝利を飾った。

#19 関口雄飛のコメント
「最初は可夢偉が速くて、抑えきれずに抜かれてしまい、1周1秒くらい離されていたので『今日は辛いかな』と思っていました。ただ展開が変わって、今度はこっちが速くなり、可夢偉のタイヤがタレてきたのが分かったので(SCランからの再開)1周目はチャンスだと考えていました。前で(可夢偉が)ミスをしてくれたので、うまく先頭に出られましたね。終盤はまたこっちが厳しいかな、と思いましたけど、ある意味(最後の)SCにも助けられて勝つことができました」

激闘を見事に勝ち抜いた#19 関口は、これでタイトル戦線へのサバイバルにも成功。デビュー年から3年連続で最終戦に王座獲得の可能性を有して臨むこととなった。

惜しくも初優勝ならなかった2位の#18 可夢偉は、「勝てるかな、と思いつつ戦ってはいましたが、勝つことができず残念です。ただ、今季も今回のようにトップの方を走ることが何度かできているので、こういうレースを続けていけばいつか勝てると思います。頑張ります」と語り、捲土重来を誓っている。最終戦鈴鹿での初優勝達成に期待がかかるところだ。

今回のレースの3位は#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)。4位にはホンダ勢トップとなる#5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)が続いている。そしてドライバーズタイトル争いのランク上位3人は、リーダーの#3 N.キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)が5位、3点差で追っていたふたりのうち#1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)が7位、#16 山本尚貴(TEAM MUGEN/ホンダ)は10位という決勝結果だった。

34周で終わった今回のレースは規定により通常の半分の得点が決勝上位8人に与えられるが、その結果、最終戦を前にタイトル争いは下記5人に絞られている(次戦は最終戦ボーナス込みで、個人最大14点獲得可能)。

#3 キャシディ(KONDO)/29点
#1 石浦宏明(CERUMO INGING)/25点
#16 山本尚貴(MUGEN)/24点
#19 関口雄飛(IMPUL)/17点
#20 平川亮(IMPUL)/17点
(以上、ポイントに関してはすべて手元計算)

今季のSF最終戦は世界ツーリングカー・カップ=WTCRの日本大会と併催、10月28日決勝の日程で鈴鹿サーキットにて開催される。SFの最終戦は2レース制が定着していたが、今季は1レース制で決勝レース距離250kmだ(シーズン当初は300kmの計画もあったが、250kmに決定)。王座をかけたファイナルバトル、5人の戦いは熾烈を極めることになるだろう。

《遠藤俊幸》

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