高架下から進出の電動車いすがひき逃げ被害、高齢男性が重体

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現場は自動車道の高架沿いにある一般道。高架橋の合間に交差道路がいくつも設置されており、そのどれもが高架橋の構造物に阻まれて見通しが悪いという。高齢男性の乗った電動車いすはそんな交差道路から進出し、事故に巻き込まれたとみられる。

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4日午前11時30分ごろ、愛媛県松山市内の市道で、電動車いす(シニアカー)に乗って道路を横断していた高齢男性に対し、交差進行してきた軽乗用車が衝突する事故が起きた。男性は重体。クルマは逃走したが、警察は後に運転者を逮捕している。

愛媛県警・松山南署によると、現場は松山市南高井付近で片側1車線の直線区間。交差点に横断歩道や信号機は設置されていない。同市内に在住する94歳の男性は電動車いすに乗って道路を横断していたところ、交差進行してきた軽乗用車と衝突した。

衝突によって電動車いすは転倒。男性は近くの病院へ収容されたが、頭部強打などで意識不明の重体となっている。

事故を起こしたクルマは現場から逃走したが、一斉手配の結果として現場から約1km離れた場所で前部に衝突痕のある不審な軽乗用車を発見。運転していた同市内に在住する33歳の男に職務質問したところ、ひき逃げへの関与を認めたことから、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

現場は松山自動車道の高架沿いで、電動車いすが進出してきた側は高架下となって見通しが悪い区間。聴取に対して運転者の男は「怖くなって逃げた」などと供述しているようだ。警察では事故発生の経緯を詳しく調べている。

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ひき逃げ事件の容疑者は「怖くなって逃げた」という供述をよくするが、現場から逃走してしまうと「ひき逃げ」ということになり、罪も重くなる。見通しの悪い交差点での事故は、状況によっては「避けられない状態だった」と判断されることもある。「逃げない」ということは責任の度合いを有利にすることがあるというのも覚えておいた方がいいだろう。

《石田真一》

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