さる10月17日、都内において『TU-Automotive Japan 2017』が開催された。ここでは、基調講演に登壇した調査会社ストラテジー・アナリティクス オートモーティブコネクテッドモビリティのディレクターであるロジャー・ランクトット氏のセッションを紹介したい。テーマは、『日本に迫るカーコネクティビティ危機 ~リーダーシップ奪還のカギ~』。
「近年、インターネットに接続可能な車両は増え続けているにもかかわらず、接続が”アクティブ”な車両は伸び悩んでいる。自動車メーカーからすると、非アクティブな車両はハードウェアのコストが無駄になっていることになる」
「ユーザー側に接続する強い理由がなく、いっぽうで自動車メーカー側は、OTA(On The Air)アップデートが必須であり、接続する強い理由がある。ソフトウェア関連のリコールが急増しており、コストがかさんでいるからだ」
「カスタマーにとってのバリューを創出しなければならない。『Waze』の事例に注目するといいだろう。スマートフォンで収集されたデータによって、価値あるロケーションベースのサービスを構築した。自動車には、スマートフォンよりも膨大なデータがあるはずだ。」
「データ収集をもう始めているメーカーもある。BMWは欧州において、年間1ペタバイトのデータを収集する見込みだ。コネクティビティは、自動車の新しい利用方法、アセットへのアクセスを可能にするからだ。日本の自動車メーカーはコネクティビティで後れを取っている」
「コネクティビティはいまや必須条件だ。プラットフォームも急速に拡大、変化している。自動車の使い方も、所有から利用へと変化する可能性があるのだ」
TU-Automotive Japan は例年10月中旬に開催される。コネクテッドカーや自動運転分野を中心とした国内外のスピーカーによるカンファレスである。