走るタコメーターでますます熱い…スズキ GSX-R1000R 新型車体電装設計担当者【インタビュー】

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スズキ GSX-R1000R
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  • 新型GSX-R1000R車体電装設計担当、広末忠之さん。
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「タコメーターが走る!」。新型スズキ『GSX-R1000R』のメーター開発を担当した車体電装設計課の広末忠之さんの言葉だ。

たしかにフル液晶ディスプレイに、バータイプのタコメーターが左から横へ流れるように動いていく。ライダーは無意識なうちにエンジン回転数のおおよそが把握でき、ライディングに集中し続けることができる。

「スーパースポーツで重要となってくる3000回転以上からを重要と考え、そこから目盛りのピッチを大きくし、4000回転で右に曲がって見やすくしています」(広末さん)

「メーターで伝えるべき情報は一気に増えました。ライダーがスポーツライディング中に、すぐ情報が得られるよう、レイアウトにはとことんこだわりました」(広末さん)

新型GSX-R1000Rは電子制御が満載となっている。3つの走行モードを選ぶことができる『スズキドライブモードセレクター(S-DMS)』、介入レベル10段階のトラクションコントロールなどだ。

その設定時、あるいは走行中に目で確認するのはメーターパネルとなるから、広末さんが言うとおり、メーターパネル内にはエンジン回転数や速度といった基本的な情報のほか、それぞれの電子制御のモードがどの段階にあるのかを見やすく表示しなければならない。

「設定の操作をよくするのは、ドライブモードとトラクションコントロールでしょうから、その2つはスイッチを含めてシンプルに操作できるよう、テストライダーの意見を聞いて開発しました」(広末さん)

そうした情報で溢れかえるフル液晶ディスプレイ内だが、“スーパースポーツGSX-R1000R”というキャラクターを広末さんは考えて、タコメーターを中心に考えた。冒頭で言った「タコメーターが走る」という広末さんの表現に強いこだわりを感じずにはいられない。

そして燃料計の装備も、広末さんは譲れなかったという。

「スーパースポーツモデルは、エアクリーナーボックスのためにタンクの中がえぐられてしまっていて、他社のモデルを見ましても燃料計を備えていないことが多いんです。新型『GSX-R1000R』ではデイリーユースでの使い勝手も考え、燃料計を搭載しています」(広末さん)

さらに日本仕様ではETC車載器を標準装備。「これは絶えず見てなくていいので、左上に小さくレイアウトしました」(広末さん)。

こうして、見る頻度や情報の重量度を徹底的に考え、新開発された多機能メーターディスプレイが、新型『GSX-R1000R』には備わっているのだ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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