日産自動車は12月5日、自動運転技術を活用した完成車の工場内での無人搬送システムを同社の追浜工場に導入し、報道陣に公開した。
電気自動車の『リーフ』をベースにした無人けん引車で、車両3台を載せた専用台車を工場から約1.4km離れた完成車ヤードまでけん引する。けん引車にはカメラとレーザースキャナーを搭載しており、走行路や障害物などを検知する。
同日、追浜工場で記者会見した車両生産技術担当の吉村東彦常務執行役員は、同工場内の完成車搬送を2019年にはこのシステムに全面切り換えする計画を表明した。現在、工場内での搬送には1日当たり2シフトで計16人の専門ドライバーが従事している。
システムの運用には、管制センターの要員や台車に車両を積み降ろしする担当者が必要となるものの、大幅な要員削減が可能となる。また、電気自動車でけん引するため、個々の車両搬送時の排出ガスがなくなり、環境負荷の低減にもつながる。
吉村常務は、追浜工場に全面導入後は「19年末くらいからは国内の他工場にも展開。そして海外の日産工場やルノーの工場にも導入していきたい」と表明した。