昨年6月、奈良県奈良市内の国道24号で、Uターン中の乗用車と衝突した後に路外へ逸脱し、22人を負傷させたとして過失傷害の罪に問われたバス運転手の男に対する判決公判が18日、奈良地裁で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。
問題の事故は2016年6月4日の午後3時50分ごろ発生している。奈良市法華寺付近の国道24号(片側2車線の直線区間)で、交差点でUターンしようとしていた乗用車と、対向車線を直進してきた大型観光バスが衝突。バスは急ハンドルを切った弾みで路外に逸脱して道路左側の歩道へ乗り上げ、歩道内に設置された信号柱にもぶつかった。この事故でバスの乗員22人が軽傷を負っている。
事故はバス側の信号が赤表示になってから発生しており、検察は「運転者が注意義務を怠った」として、運転していた53歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の罪で起訴していた。
18日に開かれた判決公判で、奈良地裁の西川篤志裁判官は「赤信号を見落として交差点へ進入しており、一歩間違えば重大な結果となりかねないものだった」と指摘したが、被告が反省の態度を示していることや、被害の程度が低かったことを斟酌し、被告に対して禁錮6か月(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡した。