カーシェアプラットフォームを丸ごと提供する…OTAkeys

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OTAKeysのシステムイメージ
  • OTAKeysのシステムイメージ
  • 必要なハードウェアはOBU
  • カーシェアサービスに必要なインフラやソフトウェアもサポート
  • OTAKeysを実装したサンプル車両
  • OTAKeysについて説明する松本浩幸氏
  • RFIDリーダーをつければ、カード式のキーにも対応
  • RFIDリーダーは車内のアクティベーションのインジケータにもなる

都内・都市部でタイムズのカーシェアを見かけることが多くなった。個人間のカーシェアをビジネス化する動きまである。このビジネスを後押しする重要なテクノロジーがキーレスエントリーシステムだ。

といってもただのリモコンキーではない。物理的なキーを使わなくても、ICカード(RFID)やモバイルデバイスを使って、車の予約や受け渡しにオフィスを構えたり、人間が対応する必要をなくしてくれるスマートキー、仮想キーなどと呼ばれるものだ。

ICカードやスマートフォンに紐づいた車のキーとなる情報で、車のロックを解除できたりエンジンをスタートできれば、予約やキーの受け渡しはオンラインで完結できる。返却時は、位置情報、ガソリンの量、利用時間、移動距離などの情報を管理サーバーに送信すれば、課金・決済処理もできる。つまり、車の保管場所さえ確保すれば、営業所のような施設も人員も不要だ。

また、このシステムは、営業車やタクシーの車両管理、運行管理にも応用可能だ。営業車の予約をイントラネットで行い、社員証(IDカード)をそのままキーとして有効すれば、営業車のキーが行方不明になった、というトラブルも減らすことができる。

システムは、ODBIIに接続する本体と、事業者ごとのサービス開発に利用できるソフトウェア群から構成される。本体はOnboard Connectivity Unit(OBU)と呼ばれ、GPS、Bluetooth、3Gモジュールを内蔵している。通信モジュールを自前で持つため、ファームウェアのアップデートも可能だ。今後のIoT製品に欠かせない重要な機能だ。Bluetoothはスマートフォンを仮想キーとして利用できるようにする。社員証や会員カードを利用したいなら、オプションでRFIDリーダーも用意されている。

ソフトウェアは、運行管理、カーシェアリングビジネスなどさまざまなアプリケーションを開発するためのSDKとAPIが提供される。すべてを自社で開発しなくても、モバイルデバイス用のアプリ、サーバー側の管理システム、Webサーバーなどもパッケージと関連ツールが用意されている。サーバー、ネットワーク、テスト環境など、コンチネンタルが用意したシステムやサービスを利用できるようになっている。

つまり、カーシェアリングビジネスを始めようと思ったら、予約、キーの受け渡し、返却、課金管理、決済までに必要な基本的なインフラやシステムはOTAkeysでそろえることができる。

このように語るのはコンチネンタルの松本浩幸氏だ。同社は、ベルギーの企業と合弁会社OTA Keysを立ち上げ、グローバルにカーシェア向けのプラットフォームやサービスを手掛けている。フランス、ドイツ、オランダ、スイス4か国で実際の導入が進んでいる。残念ながら、日本での採用はまだないとのことだが、今後、グローバルでカーシェアリングを展開するような企業がでてくれば、コンチネンタルのシステムを使うメリットは高まる可能性がある。

《中尾真二》

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