南阿蘇鉄道、復旧に向け義援金の受付開始…熊本地震で大きな被害

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南阿蘇鉄道が公表した写真。土砂崩れで線路が流失している。
  • 南阿蘇鉄道が公表した写真。土砂崩れで線路が流失している。

熊本地震の影響で運休中の高森線を運営する第三セクターの南阿蘇鉄道は4月25日、復旧義援金を受け付けるための銀行口座を開設した。

同線は熊本地震の本震とみられる地震で大きな被害を受け、4月16日から運転を見合わせている。国土交通省がこれまでにまとめたところによると、高森線では立野~長陽間(熊本県南阿蘇村)のトンネル内壁クラックや、橋りょうの変状などが確認されているが、詳細は分かっていない。南阿蘇鉄道が今回公表した写真では、土砂崩れで線路が流失した姿が映し出されている。

南阿蘇鉄道は「多くの皆さまから義援金送付先の問合せもあり、専用の口座を開設することといたしました」としており、義援金は全て復旧財源として活用するという。口座番号など詳細は南阿蘇鉄道のウェブサイトで公開している。

高森線は、立野~高森(高森町)間17.7kmを結ぶ鉄道路線。1928年2月に国鉄線として開業したが、1981年9月には日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)に基づき国鉄線としては廃止されることが決定。沿線自治体が出資する第三セクターが経営を引き継ぐことになり、1986年4月から南阿蘇鉄道が運営している。

1日平均の通過人員(旅客輸送密度)は、国鉄時代の1977~1979年度が1093人だったが、2012年度は466人まで落ち込んでいる。東日本大震災で大きな被害を受け、このほどバス高速輸送システム(BRT)への移行が正式に決まった気仙沼線(宮城県)の場合、震災前の旅客輸送密度(2009年度)は872人だった。

《草町義和》

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