17日午前7時30分ごろ、広島県東広島市内の山陽自動車道下り線トンネル内で、渋滞中の車列に対し、後ろから進行してきたトラックが追突。車両12台が関係する多重衝突に発展した。火災も発生し、2人が死亡。67人が重軽傷を負っている。
広島県警・高速隊によると、現場は東広島市志和町付近の八本松トンネル(全長844m)内で片側2車線の緩やかなカーブ。当時は別の事故の影響で小規模な重体が発生していたが、第1車線を走行してきたトラックは減速しないまま車列最後部のクルマに追突。事故に巻き込まれた車両を押し出しながら前進を続け、車両12台が関係する多重衝突に発展した。
事故直後、大破したクルマから出火して炎上。地元消防が消火を行ったが、車両5台が全焼。車外に投げ出された状態で65歳の女性が頭部強打で死亡。大破したクルマに乗っていた34歳の男性も死亡した。このほか約90人が煙を吸うなどして近くの病院へ収容されており、うち67人が負傷認定されている。警察は追突したトラックを運転していた埼玉県越谷市内に在住する33歳の男を翌18日に自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)容疑で逮捕している。
トラックは車列最後部のクルマに追突してからも約5秒に渡って前進を続けており、これが事故を拡大させたものとみられている。急ブレーキを掛けた痕跡はなく、警察では居眠りや漫然運転が事故につながった可能性を視野に入れ、事故発生の経緯を詳しく調べている。